お正月に故郷の親類の会社で製造している飴を持ち帰ってきました。
その飴は水飴と黒糖が原料になっていて昔ながらの懐かしい味。
とても美味しいのです。それを韓国人の先生方に配ったときのこと。

先生「어-, 엿이네. …엿은 일본말로 뭐예요?」
     (お~、ヨッですね。ヨッは日本語で何ですか?)
私 「飴(あめ)ですね」
先生「あめ는 사탕이잖아요.」
    (飴はサタンじゃないですか)
私 「엿도 あめ고 사탕도 あめ예요.」
    (ヨッも飴で、サタンも飴です)
先生「……」

と、納得がいかない?様子。その後、別の先生にもその飴を渡したところ、
なんとその先生とも全く同じ会話を交わすことになったのでした。

その気持ち、「うちわ」と「扇子」を韓国語では「부채(プチェ)」とだけ言い、
「お土産」と「プレゼント」を「선물(ソンムル)」とだけ言うことに対する
私たち日本語話者の「もどかしさ」に似ているのだろうな~と思いながら
先生達の表情を見ていました。(詳しくは、第234号のメルマガ
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そう、韓国では水飴を原料にしているものと、いわゆるキャンディーの
部類に入るものを区別して呼んでいるんですよね。

韓国土産でよく「고구마엿(さつまいも飴)」「호박엿(カボチャ飴)」
などのお菓子をいただくことがありますが、甘く且つ素朴な味で、
ふにゃふにゃとした噛み心地も良くて、美味しいですよね。

そうそう、「엿(ヨッ)」と聞いて私が真っ先に思い出すのは、子息の
大学受験合格を祈る親御さんたちが、大学の校門に張り付ける
(塗りつける!?)「엿」です。

「엿」はネバネバして「붙다(くっつく、張り付く)」です。それが語原となったの
でしょう。「붙다」には「合格する、(試験に)通る」という意味もあります。
よって、子息の合格を祈って、校門に水飴を張り付けるわけです。

その必死な親御さんの姿を見ながら、この水飴はあとで誰が掃除する
のかなぁ……と毎年気になって仕方がない私です(^_^;)。



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