週末、アルク社主催の「中国語翻訳術」というセミナーに行って参りました。

『中国語ジャーナル』に連載を持つ先生方の秘伝の翻訳術が聞ける、という
ことで、アルク社地下のイベント会場は熱心な学習者でいっぱいでした。

このセミナーはこのメールマガジンを読まれる韓国語学習者の皆さんにも
是非聞いていただきたい内容でした。中国語といえども「翻訳」に関する
ことなので、根底に流れるスキル、心構えのようなものは一緒なんですよね。

それぞれの先生方から伺った興味深いお話は後日ブログにアップさせて
いただくことにして、本日は印象的だったお話をそのエピソードと共に、
韓国語でご紹介したいと思います。

セミナーの2番手に登場されたのが、チャン・イーモウ監督の『サンザシの
樹の下で』等の字幕翻訳等を手掛けられている水野衛子先生。

「翻訳にあたっては、字面(じづら)ではなく、その国の背景、事情を
知り、それを含めて翻訳をするのがとても大切」「その国の独特な事情、
背景に気付かず、見過ごして翻訳をしてしまいがち」と、具体的な例を
挙げながら力説されていました。

それを防ぐ方法として、「原作を読んでおく」ということの大切さを強調
されていたのですが、先生の場合、「字幕翻訳の依頼を受けてから読む」
のではなく、「中国で話題の小説などがあったら、もし、映画化された
ときに私が翻訳するかもしれない」という思いを持って、まず読んで
みるのだそうです。

「まぁ、読んでも来ないことの方が多いんですけどね」と笑って
いらっしゃいましたが、依頼されるかどうかも分からない作品の原作を
読んでおくというこのご姿勢にはとても驚きました。そして、その後に
ご紹介されたのがこのエピソード。

何年か前に来日した有名女優チャン・ツィイーさんの記者会見に水野先生が
同席されたときのこと、「あなたはラッキーガールですね」と言う記者に、
チャン・ツィイーさんは中国語でこう答えたそうです。

「チャンスは準備をしていた人間に与えられます」

水野先生は、「これ、名言だな~と思いましたよ。彼女は、’ただのラッキー
ガールじゃない。私は努力をしているのだ’と言いたかったんですよね」と。

私も心の中で「ううむ、名言だ!」と唸りました。
それではこの名言を韓国語でお届け致しましょう。

기회는 준비한 사람에게 주어집니다.
(キフェヌン ジュンビハン サラメゲ チュオジムニダ/
チャンス(機会)は準備した人に与えられます)

さて、水野先生はこの名言をまず中国語で披露されたのですが、
例によってすべては聞き取れませんでした(^_^;)。完全に聞き取れた
のは「チャンス」「準備」の中国語くらいでしょうか。なんらかの
方法で、中国語でもこの名言を言えるようにしたいと思います!



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