前回、「中国人の’面子’、韓国人の’自尊心’」について
お届けした際、「社員みんなの前で部下を叱責する日本人上司」の例を
挙げました。そして、(会社文化や個人差はあるにせよ)中国や韓国では
面子を立てる、もしくはプライドを傷つけないため、こういったことは
避ける傾向があるようだ、とも書きました。さて、これだけ見ると、
「面子」と「自尊心(プライド)」は同じ事のような気がしますよね。

しかし、これらもやはり違いがあるのかな、と思うに至った話を以前本で
読んだことがあります。その著者の経験談がかなり面白かったのでご紹介
します。各会社の受け答えは知っトク表現を兼ね、韓国語で書きます。

ある韓国の会社。この会社の商品、あきらかに日本のA社を真似ているようだ。
韓国人にそれを指摘すると(おそらく分かっていながらも)、

「아닙니다. 틀림없이 저희 오리지널입니다 .」
(アニムニダ。トゥrリムオプシ チョイ オリジノリムニダ/
違います。正真正銘、私どものオリジナルです)

一方、ある中国の会社。この会社の商品、あきらかに日本のA社を真似て
いるようだ。中国人にそれを指摘すると、

「어떻게 알았어요? 잘 만들었지요? 」
(オットケアラッソヨ?チャルマンドゥロッチョ?/
よくわかりましたね(直訳:どうして分かったんですか?)。うまくできてるでしょう?)

となると(笑)。とある方の体験談に過ぎないとはいえ、ここに韓国人の
プライドと中国人の面子の違いを見て取れる気がして面白いエピソードだな、
と思うのです。

韓国人が個人のプライドのみならず、(日本に対する)韓国人としての
プライドをも守るのに対し、中国人の面子とは、かなり個人的なところに
集約されるのかな、と。

……と、先日より、日中韓についてあれこれ思いを巡らせております。
どんどん深みにはまりますが、言葉の上達は文化を知ることに繋がり、
文化を知ることは言葉の上達に繋がるので、とても楽しんでいます。



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