先々週のメルマガで、 「甘いものを辛くする韓国、ホットなものを冷ます
日本」という題名で「水を差す」という意味の韓国語の慣用句をご紹介
致しました。

その際、辞書などを調べるにあたり、「あることが、ある要素によって
ガラッと変わってしまう」というような、似たような表現且つ面白い
表現が多いことに気がつきました。

例えば「火に油を注ぐ」。Yahoo!辞書によりますと「勢いの盛んなものに
さらに勢いを加えるようなことをするたとえ」とありますが、大抵、
良くないことが起こっているのに、さらに何か要素が加わり自体が悪化…
というときに使いますね。その韓国語の諺は、

「불난 집에 부채질 」(プルラン チベ プチェジル)

直訳すると「火事の家に(うちわで)扇ぐこと」ですね。
なるほど、火に油を注げば燃え上がり、火を煽れば火はどんどん広がります。

例文:이번달 매상이 너무 안 좋아서 사장님이 아침부터 기분이 안 좋으셨어요 .
그런데 불난 집에 부채질하듯이 박기준 씨가 숙취라고 하면서 늦게 출근하신 거예요 .
그래서 사장님이 엄청나게 야단치셨어요 .
(今月の売り上げが悪く、社長が朝から機嫌が悪かったんです。
そうしたら、火に油を注ぐようにパク・キジュンさんが二日酔いだと言いながら
遅れて出勤してきたんですよ。それで社長がひどくお叱りになったんです)

また、「泣き面に蜂」という諺もあります。同様の辞書によると、
「泣いている顔をさらに蜂が刺す。不運や不幸が重なることのたとえ」
とあります。この韓国語の諺は、

「엎친 데 덮친다 」 (オプチン デ トプチダ)

です。直訳すると、「ひっくり返ったところに覆い被さる」ですね。

例文:7살짜리 우리 아이가 화이트 데이 때 선물을 못 받아서 울었는데
기대했던 아버지까지 선물을 안 사온 거예요.
아이에게는 엎친 데 덮친 상황이었어요 .
(7歳のうちの子供がホワイトデーのときプレゼントがもらえなくて泣いていたのですが、
期待していた自分の父親までプレゼントを買ってこなかったんですよ。
子供にとっては「泣きっ面に蜂」の状況でした。)

以上、「良くないことにさらに良くないことが…」のパターンをお届けしましたが、
では、「ある良いことに、さらに何かの要素が加わって好転する」というという
類の諺もあっていいですよね。ちょっと考えてみようと思います。



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