前号で、「もっと食べたら?」「大丈夫」という日本語と韓国語のやりとりについて考えてみました。

さてこの「大丈夫」、漢字をそのまま韓国語にすると、「대장부(テジャンブ)」となり、韓国語として立派に存在する名詞です。

辞書を引くと、「大丈夫(だいじょうふ←‘ふ’です)、ますらお、りっぱな男子」とあります。「だいじょうふ」「ますらお」は、あまり聞かないでしょうか。存在感が薄れ
てきている日本語かもしれませんね。要するに、「立派な男子」という意味です。

韓国で韓国語を勉強しているとき教科書に、親戚のおばさんたちが、甥っ子の晴れ着姿を見ながら、

대장부가 됐네.(テジャンブガ テンネ/男らしくなったね~)

と言っている例文があったと記憶しています。その時、「大丈夫」の韓国語は、こんな使い方をするんだと意外に思いました。

この「대장부」、「사내 대장부」とセットで使われることも多く、
(사내は、사나이(サナイ/男)の縮約形。사내답다(サネタプタ/男らしい))

例えばお母さんが男の子に、

아이고-, 사내 대장부가 이런 일로 울지마.
(アイゴ~、サネテジャンブガ イロンニルロ ウルジマ
/まったく~、(一人前の)男がこんなことで泣いちゃだめでしょう)

という風にも使われます。

2つシチュエーションを挙げましたが、共通点があるのはお分かりでしょうか。
一定の年齢の女性(アジュンマ)が、割と幼い男子に対して使っています。

「一人前の男」と訳するとストンと理解できるしょうか。少し上から目線と言いますか、「あなたもやっと一人前」というようなニュアンスが含まれると解釈すると分かりやす
いと思います。

すなわち、例えばデートで男性が女性の荷物を持ってあげた、そんなとき、「△사내 대장부시네요.(サネテジャンブシネヨ/男らしいですね)」とは言わない。

こういう単語はシチュエーションに応じて限定的に使われるので、どんな状況で言われるかよく観察し、その状況ごとインプットすると、定着すると思います。

ちなみに、中国語も韓国語と同じ使い方をします(^-^)。
「大丈夫(da4zhang4fu)-ますらお、一人前の男」



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