先日、生まれて初めての潮干狩りに行ってきました。山育ちの私にとっては新鮮な春の海での遊びでした。ちなみに潮干狩りの韓国語は、
「조개잡기(チョゲチャプキ/[直訳]貝採り)」。そのままですね。

家族連れ、若者のグループなど、いろんな人々がいました。テント型のサンシェードや机や椅子などを広げ、春の海を楽しみながら貝を採ります。売店もいくつか出ていて、軽
食を買いに行ったときのこと。列を作っていたら、販売をするおじさん(ややおじいさん世代に近い)が、ハッとする一言を発したのです。

「はい~(次の方)、何をあげましょうか?」

これは日本語です。でも、韓国語をご存知の皆さんならお分かりかと思いますが、どう考えても「韓国語を直訳した日本語」ですよね。

そう、こんなとき、韓国語ではこう言います。

「뭐 드릴까요?(ムォ ドゥリルカヨ?/何を差し上げましょうか?)」

日本語で言うとしたら、「何になさいますか?」ですよね。もしくは、「いらっしゃいませ」「お次の方~」とだけ言い、注文をしてくれるのを待つか。

韓国語は「(私はあなたに)何を差し上げましょうか?」
日本語は「(あなたは)何を注文しますか?」という主体の違いも興味深いですが、それはさておき、私が不思議に思ったのは、おじさんの発した「何をあげましょうか?」と
いう日本語でした。おじさんが周囲の方とやり取りをする日本語を聞く限り、日本語ネイティブのようでした。

おじさんから買ったタコ焼きを頬張りながら、「もしかしたらおじさんは在日二世などで、一世の親が商売をするのを見ながら育ったのかしら。一世の親が発する「韓国語から
直訳された日本語」を、その後、商売用語として使っているのか。いや、
「뭐 드릴까요?(ムォ ドゥリルカヨ)」自体、一世の人々が商売をしていた戦中戦後からある言い回しなのかどうか?その頃、そんな「サービス業」的な言い回しはなかっ
たのではないか、等々……。

と、考えを巡らせていました。でも単に私が聞いたことがないだけで日本でもよく使われるのかもしれませんね。

さて、潮干狩りで採ったアサリはしっかり計量され、1キロ800円で販売されます。
その地方にとっては良い産業ですね。大量のアサリは近所に配ってもまだまだ残り、その後、あさり汁、あさりの酒蒸し、パエリア、スンドゥブチゲ、ボンゴレスパゲッティー
となりました。意外にもいちばん美味しかったのは、あさり汁と酒蒸しというシンプルなものでした。

子供たちは「もうアサリはいい~。うえ~」と言っていましたが、私は飽きませんでしたね。いくら肉ブームとはいえ、やはり、究極の日本のグルメは魚介類にあり!と思った
春の海でした。



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