自分の意見を言うときに、日本人はよく「~と思います」という表現を用います。

なので、韓国語でのプレゼンテーション、ディスカッション、会議・商談において、

「~고 생각합니다.(~ゴ センガッカムニダ/~と思います)」と話す方がとても多い
のですが、実はこの表現は、あまり韓国語らしい表現ではありません。
(もちろん間違いではないのですが)

 例えば、「貴社もこのシステムを導入すると良いと思います」は、

「귀사도 이 시스템을 도입하시는 게 좋다고 생각합니다.」
(クィサド イ システムル トイッパシヌンゲ チョッタゴ センガッカムニダ/
 貴社もこのシステムを導入するのが良いと思います)

よりは、

「귀사도 이 시스템을 도입하시는 게 좋을 것입니다.」が良いです。
(クィサド イ システムル トイッパシヌンゲ チョウル コシムニダ/
 貴社もこのシステムを導入されると良いでしょう)

と言ったほうが、断然良いです。

「-고 생각하다」は少し傍観的で、「-(으)ㄹ 것이다」の方が説得力がある、
自信がありそうに聞こえませんか?

 日本人の話す韓国語は会議・商談の場面に関わらず、
この「-고 생각하다」を連発する傾向があるようです。

 みなさんも相当使っているのではないでしょうか?
もちろん間違いではないのですが、言い方を変えてみると韓国語としてより自然
な感じがしますよ。

 長くなりますが、これは裏を返すこともできまして、

 ビジネスにおいて韓国の人がよく言う、
「할 수 있어요.(ハルス イッソヨ/できます)」は、
日本語で言う、「できると思います」というニュアンスで言っていると解釈した方が
良い場面があります。

 日本・日本人の細かすぎる感覚を基準にしての話ですが、
「できる」と言われて期待していたところ、思っていた結果が得られない、ということ
ェよく?たまに?あります。

 彼が「できると思う」ときは、
「할 수 있다고 생각합니다.(できると思います)」と言わず(表現的に不自然ですし)、
「할 수 있습니다.(ハルス イッスムニダ/できます)」
「할 수 있을 겁니다.(ハルス イッスルコムニダ/できるでしょう)」

 とほぼ「断言(こちらにとっては)」してきますので、この日韓のビジネス文化、
ビジネス会話の差をちょっとこれから意識してみて下さいね。

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 先日、韓国の桜について取り上げましたが、韓国の春の花として忘れてはなら
ない花があります。

  それは、「개나리(ケナリ/れんぎょう)」。
春の韓国は、この黄色い「れんぎょう」が咲き乱れます。
美しく・・・というよりは、ボゥボゥと(笑)。

 日本にも所々咲いています(桜パワーに気圧されて、存在感がありませんが)。
この前、中央高速道路のあるパーキングエリアの一面に、この「れんぎょう」が咲
いているのを発見しましたが、韓国のように咲きっぱなし、自然なままのボゥボゥ
ではなく、高さを揃えるためにカットされていました。

 この辺にも日韓の差を垣間見ることができます。

 さて、この「ケナリ(れんぎょう)」と聞くと、まず最初に思い出すものがあります。
それは、 1年前に亡くなられた作家、鷺沢萠(さぎさわめぐむ)さんの著書
「ケナリも花、サクラも花」(新潮文庫)です。

 この本は鷺沢萠さんが韓国に留学する前の準備段階から、実際留学してから
の様々な体験を赤裸々に綴っているエッセイなのですが、私の中では勝手ながら
この本に「元祖・韓国留学体験記」という副題をつけております。

 当時は鷺沢さんも若く、若い鷺沢さんが体験した、良いこと、悪いことがごちゃ混ぜ
になった韓国体験記を一喜一憂しながら、ドキドキしながら読みました。  

 実際、この本を読んで、留学生活への期待、そして不安が膨らみましたが、
すべて「知っておいてよかった」ことでした。
この本に背中を押されたといっても過言ではありません。

 何より、この題名が良くありませんか?
「韓国の春の花の代表格であるケナリも、日本の春の花の代表格である桜の花
も、同じ花なんだ」「それぞれが、それぞれの美しさと良さを持っている」と。
(スマップの歌の歌詞のようですが)

 いろんなことがあると忘れてしまいがちですが、
「ケナリも花、サクラも花」を念頭に、逞しく韓国の仕事をしていこう、と思わされます。


 10年前の本になりますが、今読んでも発見はあるでしょう。
韓国留学に興味のある方、留学している方は読んでみたらいかがでしょう。



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