このメルマガには何回か登場しているので皆さんもご存じだとは思いますが、私は夫の両親と一緒に暮らしています。「同居、大変じゃない?」と言われることもありますが、
その両親も「お嫁さんと住むの、大変じゃない?」と周囲から言われているんだろうなぁ、と思うとなにも言えません(笑)。

また、生活様式等々で何かあっても、これも自分の生まれた家でも家族同士いろいろあるし、何より韓国留学で他国に住み、他文化を受け入れざるを得なかった経験に比べると
、大概のことは大したことではない、と思えます。

しかし、ただ一つだけ、「まぁ、いっか」と大人になって流せないことがあるんです。
第三者が言っていたら「大したことないじゃん、受け流して、受け入れなよ」と言うと
思うのですが、どうしてもダメ。それは義理の両親の婉曲的な!依頼(命令)表現です。

こんな夕食時のシーン。義理の母が作ってくれた野菜がたくさん入った美味しい煮物がある。私の子供(義理の母にとっては孫)のお皿に、私が取り分けてあげている。私が適
当に盛ったあと、義理の母が‘子供に’向かってこう言います。

「○ちゃん、お母さんに、にんじんも取ってもらいなさい」

これは、「泉さん、にんじんも入れてあげて」ということなのですが、私に直接言わず、子供に言います。

ここで素直に「あ、にんじんね、入れ忘れちゃったわ。入れた方が良いわね、どうぞ」と入れてあげるのが理想的な嫁なんでしょうが、どーしてもこの表現が受け入れられず、
大人気なくカチンときてしまうんですよね~(笑)。

毎日のことなので枚挙に暇がありませんが、例えばこんなのも。ご飯を食べ終わった義理の父が果物を食べたい、孫にも食べさせたい、すると、

「○ちゃん(子供)、お母さんにリンゴを切ってもらえ」と。

……はい、と席を立ちリンゴをむきますが、ムスー(笑)。どうして「泉さん、リンゴを
むいてくれる?」もしくは、「(子供に)リンゴをむいてあげて」と言えないのかなぁー、とフツフツ。
そう言われたら快く、して差し上げるのに!(해 드릴 텐데!/ヘドゥリルテンデ!)

直接命令しにくいから遠まわしに言うのでしょう。義理の両親なりの気遣いから
生まれた表現だと思いたいのですが、どうしてもダメー!(悲鳴)大人気ないですねぇ。

さて、そんなときも私は外国語を用いて楽しみます。この義理の両親のセリフは、
韓国語にしたらどうなるでしょう。

○야, 어머니한테 당근도 먹고 싶다고 해.
(○ヤ、オモニアンテ タングンド モッコシプタゴ ヘ
/○ちゃん、お母さんに、にんじんも食べたいって言いなさい)

○야, 어머니한테 당근도 달라고 해.
(○ヤ、オモニアンテ タングンド タルラゴ ヘ
/○ちゃん、お母さんに、にんじんも欲しいって言いなさい)

○야, 어머니한테 사과 깎아 달라고 해!
(○ヤ、オモニアンテ サグァ カッカ タルラゴ ヘ
/○ちゃん、お母さんにリンゴをむいてって言いなさい)

と、我が家の婉曲的依頼表現は、韓国語の場合、間接話法を用いると
そのニュアンスが出ますね、ふんふん。でも……、韓国語にしてもやっぱりカチンとくる(爆)。
そして、何気に巻き込まれている子供はこんなとき、たいてい無反応(笑)。
無理もありません、自分の意志じゃないですからピンときませんよね。

このセリフ、中国語にしてもまた面白いのですが、それはさておき、
「郷に入っては郷に従え」。脳内自動翻訳機にかけ、素直に受け入れるよう
努力したいと思います。頑張ります( `─´)ノ



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