それは、『翻訳できない世界のことば』
(創元社)です。
背表紙に、こんな外国語が紹介されています。
・FORELSKET
フォレルスケット/ノルウェー語
語れないほど幸福な恋におちている。
・COMMUOVERE
コンムオーベレ/イタリア語
涙ぐむような物語にふれたとき、感動して胸が熱くなる。
・JAYUS
ジャユス/インドネシア語
逆に笑うしかないくらい、じつは笑えないひどいジョーク。
・IKUTSUARPOK
イクトゥアルポク/イヌイット語
だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること。
いかがでしょうか。本はこれらの言葉がページごとにつづられ、
可愛いイラストで彩られているのでページをめくるごとにワクワクします。
もちろん日本語も中国語も取り上げられていますが、ここでは韓国語をご紹介します。
この本で「翻訳できない韓国語」とされているのは「눈치(ヌンチ)」です。うーん、納得。
私も理解するのに苦労した単語ですが、理由は、「눈치(ヌンチ)」が翻訳しにくいだけ
でなく、いろんな意味を持つから、という面もあると思います。しかし私は2つの
シチュエーションを通じ、覚えることができ、また使えることができるようになりました。
以前、韓国人の友人が勤めているの会社に行きました。確か私が独立した直後で、
友人の会社と少し取引ができるかどうか、というまだ微妙な状況だったと記憶しています。
友人の上司である社長さんと話をしたあと、友人と話をしていたところ、友人がとても小さい声で私に、
「나가자. 사장님의 눈치가 보여서….」
(ナガジャ。サジャンニメ ヌンチガ ポヨソ…/出よう。社長のヌンチが見えるから……)
と気まずそうに、そそくさと荷物をまとめ始めたのです。
「社長の目が気になるから、外に出て話そう」ということですね。
仕事関連の話で来たとはいえ、私と友人は友達同士だから、話すことは自然と
雑談ぽくなってしまうのでしょう、それを社長さんがよく思わないことは充分理解できますし、
友人にとっても私的な話を聞かれたくない面もあるのかもしれません。
こんなとき、「눈치가 보이다(ヌンチガポイダ/態度、そぶり、様子が見える)」で表現するんですね。
長くなってしまったので、もう一つのシチュエーションは、その本で「눈치」がどう紹介されていたか、
という点も含め、次週、取り上げたいと思います!
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- <コンテンツ提供:アイケーブリッジ外語学院>
「言葉を知り、文化を知り、人を知る」をモットーに、東京・虎ノ門で韓国語講座を開講。「趣味の韓国語」、「シゴトの韓国語」などのクラスから実践的な通訳や映像翻訳の技術が学べる講座まで、あらゆるレベル、ニーズに応えています。
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