で、『翻訳できない世界の言葉』という本の中に、
韓国語の「눈치(ヌンチ)」が紹介されていた、という話をしました。
この「ヌンチ」は辞書だけ引いても、いまいちピンと来なかったのですが、私は2つのシチュエーションから、この「ヌンチ」の代表的な意味は、2つに集約されるなと思い、
いまではその2つのシチュエーションで使うようにしています。1つ目は前々号で紹介しました。
2つ目の「ヌンチ」はこんなシーンで登場しました。
ある先生と受講生の方が何かの話題で盛り上がっています。とても楽しそう。
でも少し静かに話してほしい……と、私が「しーっ」と指でジェスチャーをしたのですが、なかなか気づきません。
少し大きな声で呼ぶと、
「아이고! 죄송합니다. 」(アイゴ、チェソンハムニダ/あら、すみません!)
と照れ臭そうにされ、
「제가 너무 눈치가 없었네요.」(チェガ ノム ヌンチガ オムネヨ/私、すごくヌンチがなかったですね)
と。
日本語で言うとなると、「気づかなくてすみません」でしょうか。
冒頭で紹介した書籍で「ヌンチ」は、「他人の気持ちをひそかにくみとる、こまやかな心づかい」と書いてあります。そうすると日本語の「気配り」が合う気もしますが、「ヌ
ンチ」は、なんというか、私の感覚としては、アンテナを張り巡らせるような、電波的なもの?を感じます。
前々号でご紹介した「눈치가 보이다(ヌンチガ ポイダ)」と、今回ご紹介した
「눈치가 없다(ヌンチガ オプタ)」、この2つが使えれば、「ヌンチ」を掴めたことになるかな、と思っています。是非使ってみてください!
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