「北朝鮮のミサイル、問題視するな」・・・・韓国国立外交院長の発言が物議(画像提供:wowkorea)
「北朝鮮のミサイル、問題視するな」・・・・韓国国立外交院長の発言が物議(画像提供:wowkorea)
韓国のホン・ヒョンイク(洪鉉翼)国立外交院長が最近、米国ワシントンDCで開催された、あるフォーラムで「北朝鮮のミサイル発射を大きく問題視しないことが朝鮮半島の核問題解決に役立つ」と発言し、物議をかもしている。

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 韓国メディアのソウル経済新聞は3日の社説で、洪氏の発言をこう批判した。

 洪外交院長が最近、米国ワシントンで開催された、あるフォーラムで「北朝鮮のミサイル発射を大きく問題視しないことが朝鮮半島の核問題解決に役立つ」と発言した。「終戦宣言ができなければ、来年は非常に危険な夏になるだろう」と言及し、米韓合同演習の猶予を提案した。洪氏は10月、「(米国は北朝鮮の)短距離ミサイル程度の実験は黙認できる寛容さを見せなければならない」とも述べている。北朝鮮の弾道ミサイル発射は、国連安全保障理事会決議案に反する。それにもかかわらず、キム・ジョンウン(金正恩)政権のミサイル発射に、韓国の外交院長が免罪符を与える発言をしたことに、耳を疑わざるを得ない。北朝鮮の主張と似たき弁を並べ立てると、一部では「北朝鮮政権の報道官のようだ」という批判まで出ている。

 洪氏の危険な発言は、文政権がしがみついている「終戦宣言」を大統領選挙直前に準備するためのものと見られる。折しも、ソ・フン(徐勳)国家安保室長が2日、天津を訪問し、中国の外相と終戦宣言の推進案などについて話し合った。しかし北朝鮮の核やミサイルの脅威が無くなっていない状況で終戦宣言を強行すれば、金政権の核保有を事実上容認することになる。パン・ギムン(潘基文)元国連事務総長が「終戦宣言は、北朝鮮に国連軍司令部解体と在韓米軍撤収まで主張させる、口実を与えるだろう」と警告した背景だ。ロバート・エイブラムス元在韓米軍司令官も「終戦宣言は賭博」とし、慎重な接近を助言した。

 こうした洪外交院長の発言に対して、米国の安保専門家は危険な発言だと主張した。

 1日、ソウル新聞によると、米民主主義守護財団(FDD)のデイビッド・マクスウェル上級研究員は「北朝鮮が脅迫外交と武力を通じて朝鮮半島を占領しようとする姿を見せてきた。そうしたやり方は70年間変わらなかった」とし、朝鮮半島での対立は北朝鮮に責任があると主張した。

 終戦宣言については「心配される部分として、朝鮮半島の安保問題は米国の行動のせいだと考える人に、力を与える」とし、「終戦宣言は破局に向かいやすく、米韓両国の国益から見て危険な部分がある」と洪院長を正面から批判した。

 韓国の外交部では、洪外交院長の発言に対して「個人の意見」と一蹴した。

 2日のアジアトゥデイによると、韓国外交部(省に相当)の当局者は、この日記者団に、最近の「北朝鮮ミサイル」発言について「特に言及することはない」とし、個人の意見にすぎないと一蹴した。

 当局者は「韓国政府は朝鮮半島の完全非核化および恒久的な平和プロセスに、実質的進展を作るための外交的努力を続けている」とし、「原則的に、弾道ミサイル技術を利用したすべての発射は、国連安全保障理事会決議上禁止されている」という、これまでの立場を再び明らかにした。

 一方、米国務省報道官は北朝鮮との交渉に関して、前提条件なしに会う準備ができていると強調した。

 2日、ニュースピムによると、米国務省報道官は1日(現地時間)、彼らの発言に対するRFAの論評要請に対し、「米国は、北朝鮮と対話と外交を通じて、朝鮮半島の恒久的平和を達成することに専念している」という従来の立場を明らかにした。

 そして、「このため、米国と同盟および海外駐留米軍の安全保障を増進する具体的な進展が得られるよう調整し、実用的な接近の一環として、北朝鮮との関与を追求し続ける」と説明した。

 報道官は「われわれは北朝鮮に対して、敵対的な意図はない。前提条件なしに北朝鮮と会う準備ができている。北朝鮮がわれわれの接近に、肯定的に反応することを望む」という立場を繰り返し力説した。
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