韓国政府が出した「新しい出発基金30兆ウォン」投入政策について、韓国のネットで賛否両論を呼んでいる。

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「新しい出発基金」は、借金返済能力のない自営業者や小規模事業者などの負担を税金で軽減することが目的だ。賛成側は「社会安定」、反対側は「公平性」を主張して対抗している。

 あるネットユーザーは15日、オンラインコミュニティ「ボベドリーム」に、「なぜ個人の借金を国の税金で返さなければならないのか。公正でない政策だ。全国民の借金をゼロにするか、全国民に1000万ウォン(約100万円)を与えるのが正しいのではないか」と投稿した。この投稿には2900を超える推薦と約240のコメントが書き込まれ、ネットユーザーの関心を集めた。

 同日、「MLBパーク」というコミュニティに投稿したネットユーザーは、「今回の政策は元金帳消しではない。対象者が持っている債権を国家が予算をかけて銀行に持ってきて、最長10年まで貸すことだ。借金を抱えた人が破産して回生手続きを踏めば、貸し出した銀行が損失を被る。国家経済にも損害が及ぶため出てきた政策」と投稿した。

 これを投稿したネットユーザーの主張のように、「韓国経済全体」のための政策という意見と、負担しなければならない利子を帳消しするだけでも「恩恵」という意見が対立している。

 一方、先立って韓国政府は新型コロナの影響で償還能力に問題が生じた自営業者や、小規模事業者が負わなければならない貸出を一部棒引きしたり、長期分割償還できるようにする対策を出している。これと共に、いわゆる「借金闘争」に出て失敗した若者らの救済策も発表した。

 政府は新しい出発基金のために30兆ウォン(約3兆1500憶円)を投入して、資産管理公社が各金融会社から債券を買い入れた後、債務者が最大3年まで利子だけを払うようにし、最長20年にわたって分割返済するようにした。

 また、8兆7000億ウォン(約9125億円)を投入し、年7%の高金利融資を「低金利」に変える対策も打ち出している。変動金利の住宅担保融資を固定金利に変える安心転換融資の規模も、20兆ウォンから25兆ウォンに増やすことにした。

 政府はさまざまな貸出商品を対象に、公的資金を活用して利子負担の軽減政策を出している。しかし、借金で投資したような一部の投資者を救済する政策だとか、自営業者に提供する特恵が行き過ぎだとか、家を購入できなかった人々の不満などさまざまな意見が提起されている。

 これについて、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は15日、「完全に不良化し政府が後始末するよりは、先がけて適期に措置するのが国家全体の厚生と資産を守るのに急がれること」と答えた。
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