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韓国人気歌手IU(アイユー)のTwitter(ツイッター)写真で巻き起こった混乱をきっかけにSNSの被害が再び問題視されている。

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 コミュニケーションを目的に誕生したSNSが、”魔女狩り”式に世論作りに活用されることが日常的に起こっているからだ。

 大衆の関心を一身に背負う芸能人の場合、被害はさらに深刻だ。スターたちにとってSNSは、ファンとリアルタイムで繋がることができる魅力的な道具であるが、一度でもミスを犯すと大きな打撃を加える”凶器”にもなり得るのだ。

■SNSが生んだ寸劇
 先ごろ巻き起こった「IU写真事件」は、SNSの副作用を示した代表的な事例といえる。

 発端は、IUが去る10日深夜、自身のTwitterに「SUPER JUNIOR」ウニョクと親しげに撮った2ショット写真を公開したことだった。

 この写真がSNSを通して拡散し、IUの所属事務所は直ちに報道資料を出して「該当写真はことしの夏、ウニョクがIUのお見舞いに来た際に撮影したもの。2人は親しい先輩後輩の仲であり、それ以上の関係ではない」とし、「IUが誤って掲載してしまった。2人の関係を拡大解釈しないでほしい」と訴えた。

 しかし、事態はさらに拡大してしまった。一部ネットユーザーらが2人の身に付けていた物や写真での表情などを見て「お見舞いに訪れた際の写真だとするには、無理がある」とし「真実を明かせ」などと要求しているのだ。

 彼らは「IUに真実解明を要求する」という名前のオンライン掲示板(コミュニティー)を開設し「恋愛説」を裏付けるような写真、映像などを共有しながらIU側を圧迫した。

 これに対して「IUを信じよう」というネットユーザーらも存在する。個人の私生活に対する大衆のおせっかいはやめよう、とする動きだ。彼らは「真実解明を要求する」に対抗して「IUを信じる人々の集まり」とし、活動中だ。

 SNSで混乱を広げてしまった芸能人はIUだけはない。先月、歌手キム・ジャンフンがブログ「me2day」に自殺を示唆するような文章を掲載したのに続き、歌手PSY(サイ)に向けた非難ともとれる文章を掲載し、波紋を呼んだ。

 その後、キム・ジャンフンはPSYが出演するイベント会場にサプライズ訪問し、公開的に和解を提案した上でPSYと「焼酎のラブショット」をして見せたが、”余震”はしばらく続いた。

 8月にはガールズグループ「T-ARA」のTwitterでの行動が不信感を募らせた。当時メンバーだったファヨンが、足の負傷で7月末の日本公演に参加できなかったことを受け、他のメンバーらが「意思の差」、「演技の天才に拍手を贈ります」などと一斉にツイート。これが「ファヨンへのいじめ説」として大きな問題へと発展したのだ。

 Twitter上の攻防で幕を開けた「T-ARA問題」は、ファヨンがグループを脱退し、ウンジョンは世論の逆風によって出演予定だったドラマから降板するなど、事件の代償は大きかった。

 これ以外にもタレントのカン・ホドン、歌手のイ・ヒョリらが昨年、Twitterを通して広がった死亡説で苦労し、俳優チャン・グンソクは非難に苦しめられたことでTwitterを閉鎖するなど「SNS混乱」は数え切れないほどだ。

■副作用を防ぐためには”大衆の情緒”を考慮すべき
 SNSは時空間の制約を越えて、全世界の人々とリアルタイムで繋がることができる。そこが魅力なのだ。特に、大衆を自身の味方(ファン)につけて生きる芸能人にとってはさらに有用だ。

 「江南スタイル」でグローバルスターとなったPSYの事例が代表的といえる。PSYは、動画共有サイトYouTube(ユーチューブ)に掲載されたミュージックビデオが全世界のネットユーザーらを虜にし、ジャスティン・ビーバーやブリトニー・スピアーズなど世界的スターらがTwitterで何度も話題にした。こうして世界市場へと進出したのだった。

 しかし、IUや「T-ARA」の事態で見えてきたSNSは、スターの人気と名誉を脅かす”凶器”として急変することになった。専門家は、芸能人が「最も私的なツールであると同時に公的なツール」であるSNSの特有を十分にわかった上で活用すれば、被害を食い止めることができると指摘する。

 大衆専門家のチョン・ドクヒョク氏は「現在のデジタル環境は、芸能人にとって難しいだろう。些細な問題でも一つに火がつけば、SNSを介して瞬時に広まるからだ」とし、「この過程では”真実”より大衆が膨張させたストーリーがさらに注目を受けることになるため、初期対応を怠ればイメージに致命傷を残す」と警笛を鳴らす。

 また「IUや『T-ARA』は悔しいと思うだろうが、”真実”だけを信じて消極的に対応すれば、むしろ波紋を拡大させることになる。大衆にとっては、真実くらいに”情緒”が重要だからだ」とする一方「SNSに文章を載せるときは公的な空間であることを十分に認知し、問題が明らかになった際には”大衆の情緒”まで勘案し、前向きに対応しなければならない」と助言した。

 さらに、大衆文化評論家のキム・ギョソク氏は「以前は、大衆がスター本人あるいは企画会社が作ったイメージをそのまま受け取っていたが、SNSが一般化されてからは、それが不可能となった。SNSを通して、ファンもスターの日常をリアルタイムで共有できるからだ」と述べた。

 また「ファンは、SNSで得たスターのイメージを”真実”として受け取ることが多く、これに反する事柄が起きた場合には裏切りを感じることになる。IUはその代表的な事例」とし、「混乱が起きた場合には、逆にすっきりと事情を打ち明けたり、少なくても世論をなだめるようなジェスチャーをすることが重要。SNS時代には、うわさの拡大と同じくらいイメージの反転スピードも速いからだ」と語った。

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