韓国ドラマ「女王の教室」のネタバレあらすじ、キャスト、視聴率、相関図、感想
過去、ドラマを引っ張っていくテーマは恋愛だったとすれば、最近は恋愛がドラマにとって副次的な要素となり、その存在はほぼ消滅している。
たまにロマンスが登場する場合でも、これまでは恋人同士が至高至純する愛に障害が立ちはだかる構図だったが、いまは愛自体が他の要素と複雑に入り乱れるようになった。
このような傾向は、最近ドラマがロマンスを描く方式自体の変化と関係している。
■削除・縮小されたドラマのロマンス
MBCドラマ「女王の教室」の主人公である教師マ・ヨジン(コ・ヒョンジョン)は、劇中”ロマンス”とはあまりに距離がある人物として描かれている。
マ・ヨジンが、学校を背景にしたその他のドラマのように「私は先生で、あなたたちは学生よ」と叫ぶ姿は想像するのが難しい。ドラマを満たしているのは、男女間の愛ではなく、マ・ヨジンと小学6年生の子どもたちとの間で起きる葛藤と疎通、そして成長だ。
コ・ヒョンジョンは先ごろ開かれたドラマ記者懇談会で「ボグン(オ・ドング)と恋愛が生まれないのか、と思うことがある」とし「ドングがマ・ヨジンをお母さんのように感じることになれば、ドラマは成功したという意味になるのではないだろうか」と語った。
先日スタートしたSBSドラマ「黄金の帝国」は、韓国経済の激動期に財閥家の間で巻き起こる権力闘争を描いている。
伝統的なサスペンス捜査物だった「追跡者THE CHASER」の制作陣が手掛けた作品であり、コ・スとソン・ヒョンジュの対立が核心的な葛藤構造だという点を考慮すれば、ロマンスは副次的な要素になる可能性が高い。
先ごろ終演したKBS2「職場の神」や「天命」でも、男女の恋愛は女性の社会的成功や父親の子に対する愛情を強調するための補助的な装置として使われた。
また、MBC「男が愛するとき」やSBS「チャン・オクジョン 愛に生きる」のように、ドラマタイトルに「愛」が入った作品でさえ、ロマンスは所有欲、政治的欲望などとスクランブルして、微妙なラインを作った。
最近、最高の人気を博しているSBS「あなたの声が聞こえる」も同じだ。ロマンスが明らかに一つの軸を成しているが、ドラマの重要な節目となっているのは、むしろスリラーとファンタジーだ。
ある地上波放送局の関係者は「最近、放送関係者の間には以前のように単純なラブストーリーだけでは要求が多様化している視聴者の好評を得ることができない、という雰囲気が基本的に存在しているようだ」と伝えた。
■ドラマ制作傾向の変化
これらの変化は、ことし放送されたドラマの新たな傾向ともかみ合っている。
最近のドラマは、ファンタジーより現実から出発する。「女王の教室」や「職場の神」の登場人物は、実際の生徒や会社員らが現実にぶつかる壁や苦しみを表現し、これに対して視聴者らが強く共感した。
また、ジャンル的にも「九家の書」や「あなたの声が聞こえる」のようなロマンス、ファンタジー、推理、スリラーなど様々な要素が混ざっているドラマが次々とヒットを飛ばしている。
このように内容的な側面で、現実の中の様々なテーマを描きながら、ジャンル的にも複数の要素がミックスされたことで、自然にロマンスが副次的な要素となったり、登場人物の“愛”の感情が複雑に扱われたりしているのだ。
キム・ギョソク大衆文化評論家は「最近のドラマはロマンティックコメディでの人物の感情よりは、現実的な問題から出発することが多い。”ファンタジー”よりは”現実”が物語の出発線となる傾向だ」と説明。
また「愛を重要なコードとして使用している場合にも、過去にはロマンスが前面に出ていたが、いまは”ダブルプロット”の構図で愛が副次的となるケースが多い」と語った。
ここに”愛”が副次的な要素となりながら、ドラマの女性キャラクターも自然に主導的に変わる、という説明だ。これは最近、女優”ワントップ”のドラマが増えている傾向とも関係がある。
キム評論家は「単純なロマンティックコメディが多かった過去には、俳優をまず先に考えて、その後で女優を考慮していたが、最近は物語が現実からスタートしていることで、女性自身に魅力として映る”ロールモデル”が登場するようになった」と分析している。
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