【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が韓国に急接近している中国に対し、露骨に不快感を示している。
 北朝鮮は21日、国防委員会政策局報道官談話で米国が主導する北朝鮮への国際的な圧力をめぐり、「一部主体性のない国も米国に盲従し哀れな朴槿恵(パク・クネ)を抱き込もうと気をもんでいる」と皮肉った。北朝鮮への圧力を強める国際社会の動きに歩調を合わせる中国を「主体性のない国」と表現し、間接的に非難したとみられる。
 中国は今月17日、国連安全保障理事会が北朝鮮の弾道ミサイル発射を糾弾する声明を発表する際に賛同している。
 今月初めには習近平国家主席が慣例を破り北朝鮮よりも先に韓国を訪れ、韓中首脳会談を開催。会談を通じ両国は友好関係を強調し、共同声明では北朝鮮の核保有を認めないとする立場をあらためて確認した。
 北朝鮮は習主席の訪韓を控えた6月28日にも朝鮮労働党機関紙、労働新聞の論説で「大国主義者」という言葉を使い中国を間接的に批判した。
 今回の国防委員会政策局報道官談話で「主体性のない国」と皮肉ったのは、批判の度合いを一層強めたと言える。
 このため、昨年末に中国と太いパイプを持っていた張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑されてから深まった中朝関係の悪化は、当面続く公算が大きいとの分析が出ている。
 今年に入り中朝関係が冷え込んでいることを示す事例が相次いでいる。
 北朝鮮と中国が1961年に中朝友好協力相互援助条約を締結し53年を迎えた今月11日、双方は親善をアピールするメッセージを出さなかった。
 昨年、北朝鮮は中国との「血盟」を強調した記事を新聞に掲載したほか、記念の宴会を催し祝賀ムードを演出していたのとは対照的だ。
 また、中国の北朝鮮向け原油輸出が今年1~5月までゼロだったことが確認され、中朝関係の異変を反映していると分析された。
 こうした中、北朝鮮は最近ロシアや日本との関係強化に積極的に取り組み、中国への依存から抜け出そうとする動きを見せている。
 中朝友好協力相互援助条約締結の記念日に沈黙していた北朝鮮メディアは、北朝鮮とロシアとの共同宣言発表から14年を迎えた今月19日には両国関係をめぐる金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の高い関心に言及し親善関係の強化を強調した。
 ソウル大統一平和研究院のチャン・ヨンソク上級研究員は、来月実施される朝鮮半島有事を想定した韓米合同演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)と、今年11月の米中間選挙を控え北朝鮮が対外的に緊張を高める可能性があるため、「中朝関係の改善は当面は難しいだろう」と説明した。

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