俳優チョン・ウソン
俳優チョン・ウソン
6月4日(木)から6月15(日)まで開催中の「SHORT SHOTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015」のイベントの一環で6月7(日)東京・原宿 表参道ヒルズ スペースオーにて行われたトークイベントに韓国を代表する俳優チョン・ウソンが登場した。

チョン・ウソン の最新ニュースまとめ

 チョン・ウソンはことし、審査委員にも任命され、日本の有名監督や小説家、女優とともに出品された80作品の中から作品賞や大賞を選ぶ大役を担い、映画祭の期間中「チョン・ウソン シネマナイト」と題し、自身が監督した作品や出演した短編を上映し観客と触れ合う時間を設けた。

 まずは「悪魔を見た」などの話題作で今、ハリウッドで大活躍のキム・ジウン監督が監督しチョン・ウソンが主演した短編映画「The Presents」が今回1回限りの上映という超貴重な作品として観客に公開された。

 上映後、白のTシャツに上下エメラルドグリーンのスーツ、そして素足に黒のエナメルの靴を履き、初夏を感じさせる爽やかな装いといつもの穏やかな笑顔でチョン・ウソンが登場。待っていたファンたちから「きゃ~!ウソンシー」と大歓声があがると会場の温度は一気に上昇!

 あまりの観客の興奮ぶりに司会からも「いつもの『SHORT SHOTS FILM FESTIVAL』のイベントとはちょっと違う雰囲気ですね」と喜びのコメントが飛び出す一幕も。興奮さめやらぬ中、トークショーがスタート。


<B>―最近日本にはお越しにはなっていますか?</b>
日本は本当に久しぶりです。みなさんとこのように対話をする時間ができて感謝していますし、とてもうれしく思っています。

<B>―「The Presents」という作品は3年か4年前の作品だと思いますが、キム・ジウン監督はどのような監督でしたか?</b>
この映画を制作するにあたって監督はキャスティングについて非常に悩まれたそうです。私にオファーをする際も相当悩んだ末にお話をくださって、出演することになったんですが まさかこんなにすごいやくざ的な映画になるとは思ってなくて…(笑)

<B>―ショートフィルムに参加して 新たに発見したことはありますか?</b>
休む時間がない(笑)短い時間の中でものすごい圧縮された中でなが~い意味を込めて凝縮した内容が盛り込まれているので長編と違うと思います。ですが商業的に作られているわけではないので ある意味大胆にプレッシャーなく楽に撮れました。

<B>―長編とショートフィルムの監督のスタイルの違いはありますか?</b>
特に差はありませんね。いつもサングラスをかけて目を合わせなくて、何を考えているかわからないとこは変わりません。(笑)キム監督はすごく繊細な方で寄ってきて深く、深く掘り下げていくような感じの監督です。


 前半のトークに続いてチョン・ウソン監督の作品、歌手「god」の「君が僕から去った後に」のミュージックビデオと「殺し屋 」(The Killer Behind, the Old Man )が上映された。
チョン・ウソンが“監督チョン・ウソン”として再び登場し、後半のトークへ。


<B>―昨年の香港国際映画祭で上映されたということですが もともとチョン・ウソン監督が短編映画をとるきっかけとなったのは何ですか?</b>
香港映画祭映画側から制作しませんかという要請がありました。オファーを受けた当初 何本かの映画を撮っていたので忙しいのを理由に断るかと考えていたのですが、断るのをやめることにしました。短い時間を使ってでも一つの作品を作るということも良いのではないかと思いました。映画の内容ですが 短編を作るにあたって どういう素材を使って作ろうかと考えたのですが、私が通っているジムに老人の方がいらしたのですが、まあ映画と違ってもっと健康的な方だったですがまずその老人の方を観察し「あっ、こんな老人を主人公に作ったらどうかな?」とそこにキラー(殺し屋)を想像して膨らませて作ることにしました。シナリオは私があまりに時間がないのでスタッフの方に雑談をしながらこういうのはどうだろうかと話をしながら脚本家の方に進めていってもらいました。簡単なメモを渡して脚本家に依頼する監督もいますが 私もそういうタイプかもしれません(笑)

<B>―演出に興味をもったきっかけは何ですか?</b>
実は私は映画にかかわる教育は受けてはいません。子供の頃から感受性は強かった方だと思います。小さい時から俳優になりたいと思い始め 俳優になって現場で演技をたたき上げながら、現場で学びながら、なろうと思ってなったというよりは自然になった感じです。幼い頃は自分の家は経済的に余裕がなかったので学校から帰るとテレビをつけて洋画を見るのが唯一の娯楽でした。洋画なのに俳優が韓国語で話していましたが、そんな区別がつかないうちから映画に接していました。日常から脱出できるような空間、そういう流れから自分にチャンスがあれば(俳優に)そうなってみたいという思いがありました。

<B>―心に残っている作品はありますか?または監督はいますか?</b>
香港映画が一大ブームだったのですが、ウォン・カーワァイ監督の映画が印象に残ってます。トニー・レオン出演の「花様年華」などが印象に残っています。

<B>―音楽の使い方も雰囲気がありますが音楽の使い方も大切にしていますか?</b>
そうですね。音楽を聴きながらストーリーの想像を含ませていくので、もちろん映画にとって音楽はかかせないし、アクセサリー的な効果があると思います。セリフの少ない短編映画には音楽というものはより効果的に左右されると思います。

<B>―今後、長編映画の監督をしますか?短編映画を再チャレンジしますか?</b>
元々監督になりたいと思ったのは短編ではなく長編映画で監督を夢みていました。
今回短編を撮るチャンスを得たので短編を撮りました。実は韓国で長編のシナリオを4本ぐらい用意していて1本は出来上がっています。ただ長編となると商業的なものになってくるので普遍的な存在で、短編映画の存在は長編映画を健康的にさせるためのものですのでまた機会があれば挑戦したいと思っています。

<B>―他の俳優さんと演技の指導をされたと思いますが同業者の方に指導するという立場はいかがでしたか?</b>
キャラクターの特性については話しますが、あくまで本人を尊重しています。そして表現については特に何も言わず観察していました。 静かに観察し、自分の思っていた以外の表現をしてくれると逆に刺激になりました。


 ここからはファンからのQ&Aコーナーに。

<B>―「MUSA」の中のご自身が出ているシーンが「殺し屋 」(The Killer Behind, the Old Man )の中に出ていてうれしかったのですが、「MUSA」が若さの象徴という意味であのシーンを使われたのですか?</b>
監督というのは遊び心を入れたくなるので…(笑)大きな意味を込めたという意味ではありません。

 「すみません」と日本語ではにかむチョン・ウソンに会場から笑いが起こった。

<B>―ムキムキのおじいさんのポスターは?あれはウソンさんですか?</b>
あれは違います(笑)。でもあれは遊び心ではなく 私にとってはとても重要なシーンでした。

<B>―今日の映画もクールな映画ですが、挑戦されたことがないのはコメディタッチのものだと思いますが、そういう作品はいかがですか?</b>
実は以前からロマンティックコメディはやりたいと思っていたジャンルです。しかし韓国映画ではかなりハードルが高く、シナリオですごいというものに出会うのはなかなか難しい状況でもあります。 これからやりたいなとは思っています。どうやってやろうかな?と思っています(笑)

<B>―中国のファンを代表としてきましたが 中国の方と連携して作る予定はありますか?</b>
以前、ジョンウー監督とやらせていただいて、それ以来、とてもかわいがっていただいてます。オファーはいただいていますが タイミングが合わなくて…。タイミングが非常に重要だなと思っています。

<B>―監督としてオファーしたい俳優はいますか?</b>
1万ウォンで即契約した方はイ・ジョンジェさんですが すぐにサインしてくれたと思います。すごくかっこいい役にするか逆にするかは私の心次第です(笑)イ・ジョンジェには良くしないとだめですね。

<B>―監督するときのスタイルは?</b>
サングラスはかけていません(笑)ロケ地によって違いますね。ソウル市内はちょっとファッショナブルにしていてそうでないときにはラフな格好で。

<B>―「god」のMVと短編映画と構図がまったく違いますがどういうスタイルでキャラクターを作っていますか?</b>
「god」のMVは3曲をストーリー仕立てにしたもので今日流したものは2番目のものです。この当時ドラマ仕立てが流行で、MVらしいMVを作りました。短編映画の方は完全にキャラクターを絞り込んで制作しました。そのキャラクターの老人が、いくらお金があってもやっぱり家族と断絶していたり“真の幸せ”とは何か、孤独や悲しみをメッセージに込めて短編映画を作りました。


 チケット発売と同時に完売になった同イベントはラッキーな280名が見守る中、約2時間熱いトークが繰り広げられた。

 ことしで17回目を迎えた「SHORT SHOTS FILM FESTIVAL& ASIA2015」は、アメリカのアカデミー賞が公認したアジア最大の短編映画祭で、ことしは国際競争、アジア競争、日本競争の3つの部門に出品された約80本の作品の中から、部門別最高作品賞と大賞を選定する。また、大賞の作品はアカデミー賞短編部門1次候補作に選ばれる特典が与えられる。
そして6月15日(月)には参加作品の中から作品賞や大賞が決定する。



殺し屋/The Killer Behind, The Old Man|SSFF&ASIA2015上映作品予告編
殺し屋/The Killer Behind, The Old Man|SSFF&ASIA2015上映作品予告編




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