ホン・ミョンボ の最新ニュースまとめ
当初、シュティーリケ監督への視線は半信半疑だった。レアル・マドリードで活躍していた現役時代の力量は輝いていたが、指導者としてはこれと言った成果がなかったからだ。
しかし、韓国で迎えた2度目の秋夕、シュティーリケ監督に向けられた視線はこれ以上ない温かさだった。韓国サッカーが、いや大韓民国全体が愛する外国人指導者フース・ヒディンク氏(68)を彷彿とさせる。
■“オデヨン(韓国語で「五対零」)”から始まったヒディンクマジック
フース・ヒディンク氏が韓国代表の司令塔となったのは2000年12月のことだった。2002年の日韓ワールドカップでは、いままでとは違う結果を出さなければならないという雰囲気のもと、PSV、オランダ代表、レアル・マドリードなどを率いた名将ヒディンクの手を握った。だが、出発は順調ではなかった。
ヒディンク氏は2001年、香港で開かれたカールスバーグカップ4カ国大会を通してデビューステージを飾った。当時韓国はノルウェーに2-3で敗れた後、パラグアイをPK戦で勝利し3位に終わった。
ヒディンク氏は自身4度目の試合となった2001年2月のUAE戦で初の公式勝利(PK戦勝利は公式では引き分け)を記録。その年の4月、エジプトでおこなわれたLGカップ4カ国親善試合でイランとエジプト相手に2連勝を収め、そのまま勢いづけたいヒディンク氏は2001年5月、大きな危機に陥る。
ワールドカップを1年後に控えておこなわれたコンフェデレーションズカップでヒディンク号はフランスとの1回戦で、0-5と大敗。大邱(テグ)ワールドカップ競技場の雰囲気は物々しく、これによってヒディンク氏は「オデヨン(韓国語で「五対零」)」という不名誉な修飾語を付けられた。赴任後、強豪らとの試合を持つことに友好的な反応を見せた世論も、とても無謀な強行軍でないかという気流に変わり始めた。
しかし、ヒディンク氏は揺れなかった。2001年8月15日、チェコで再び0-5と完敗を喫したが、ヒディンク氏は「強敵とぶつかれば強くなる」という所信を曲げなかった。以後にも、韓国代表はナイジェリア、セネガル、クロアチア、アメリカ、メキシコ、コスタリカ、ウルグアイ、トルコなど有名なサッカー強豪との親善試合を続けた。
結果は良くなかったが、徐々にチームの中身が詰まっていった。結果的にヒディンク氏の選択は正しかった。ワールドカップが近づくほど韓国代表は以前とは違った強さを見せ始めた。そして、ワールドカップ開幕を約一か月後に控えた時、ファンたちを驚かせた。
2002年5月15日、釜山(プサン)で開かれたスコットランドとの親善試合で4-1の勝利を収めた韓国は、5月21日、済州島(チェジュド)でおこなわれたイングランドとのAマッチで1-1と引き分けた。そして最終親善試合(5月26日)でフランスに2-3で惨敗した。勝負には負けたものの、当時、世界最強として君臨していたフランスと対等に戦えたという点で、サッカーファンの期待感を仰いだ。
そして2002年6月、ヒディンク氏は韓国ファンを超え、世を驚かすことになった。2002年夏、ヒディンクは韓国で国民的英雄となったのだ。
■失われた韓国サッカーを蘇らせたシュティーリケ
ヒディンク氏が2002年ワールドカップを最後に韓国から去った後、韓国は継続して外国人監督に指揮棒を任せてきた。ヒディンク氏の影響から、主にオランダの指導者がバトンを繋いだが、2007年のアジアカップを最後に再び韓国人監督の時代が続いた。
ホ・ジョンム、チョ・グァンレ、チェ・ガンヒ、ホン・ミョンボが韓国チームを率いた。しかし、ブラジルワールドカップの失敗後、外国人指導者の必要性が再び浮上し、サッカー協会は2014年9月にドイツ出身のウリ・シュティーリケ監督に指揮棒を任せた。
ヒディンク氏とは違い、シュティーリケ監督は序盤から好調だ。昨年10月10日、パラグアイとの親善試合で2-0の勝利を飾りながら出航したシュティーリケ号は、3-0で終わった去る9日のレバノンとのロシアワールドカップアジア地域2次予選の3回戦までで、計20のAマッチを戦った。
14勝3敗3分・35ゴール・8失点。シュティーリケ監督率いる韓国代表が残した記録だ。アジア圏の国家との試合が大部分だったと言うが、とても高い勝率だ。特に、シュティーリケ監督は赴任して100日も満たない段階で、オーストラリアアジアカップで準優勝、東アジアカップでは優勝トロフィーを獲得した。落ち込んでいた韓国サッカーに再び生気を送り込んだという点で、シュティーリケ監督の指導力は好評だ。
ブラジルワールドカップでの失敗後、6か月ぶりに開かれたオーストラリアアジアカップで選手たちは韓国サッカー長年の美徳だった根性と闘志を取り戻した。“兄貴”チャ・ドゥリからキ・ソンヨン、ソン・フンミンなどの看板選手たちは闘志溢れるように走った。選手たちの姿勢に失望していたサッカーファンが再び拍手を送ることができた背景だ。
また“新しい顔”も誕生している。“シンデレラ”イ・ジョンヒョプをはじめ、GK構図に地殻変動を起こしたキム・ジンヒョン、そしてKリーグが発掘したイ・ジェソンとクォン・チャンフンらがチームに活気を呼び込んでいるという評価だ。
まだ、ワールドカップを輝かせたヒディンク氏と主にアジア圏国家と競ったシュティーリケ監督を直接的に比較することはできない。真の比較は2018年ロシアワールドカップ本戦が終わった後、可能になる。だが、ヒディンク氏以後、国内外監督を合わせてシュティーリケ監督ほど、国民的反応が熱い指導者がいなかったことは明らかな事実だ。
Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 0