<W解説>サッカー韓国代表チームが始動、ホン・ミョンボ新監督は結果を残せるか?
<W解説>サッカー韓国代表チームが始動、ホン・ミョンボ新監督は結果を残せるか?
サッカー韓国代表チームが今月2日、2026年のワールドカップ(W杯)・アジア最終予選に向けて始動した。チームは、今年7月に就任したホン・ミョンボ監督の指揮の下、W杯出場をかけ最終予選に臨む。新監督の選任をめぐっては、手続きが不透明だったとの指摘が選任に携わった元韓国代表から出され、ファンは不信感を募らせている。ホン監督は2013年6月から韓国代表の指揮を取ったが、韓国は翌年のW杯でグループステージ敗退に終わっただけに、ファンからは、ホン監督の手腕に懐疑的な見方もある。

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韓国代表監督をめぐっては、今年2月にユルゲン・クリンスマン氏が解任となり、韓国サッカー協会(KFA)は当初、外国人監督を招へいする方針の下、後任選びを進め、5月上旬をめどに新監督を決定するとしていたが、難航。5か月に及ぶ人選の結果、KFAは7月、ホン氏を新監督に任命することを決めたと発表した。

ホン氏はソウル市出身の55歳。1992年からプロのキャリアをスタートさせ、ワールドカップには1990年のイタリア大会から4大会連続で出場を果たした。Jリーグでも活躍し、ベルマーレ平塚や柏レイソルでプレーした。2002年の日韓大会では、準々決勝のスペイン戦において、PK戦で5人目のキッカーとしてPKを成功させ、韓国をベスト4に導いた。2004年には「サッカーの王様」ペレが選ぶ「偉大なサッカー選手100人」に選出された。同年に現役を引退した後、23歳以下(U-23)代表チームのアシスタントコーチや、20歳以下(U-20)代表チームの監督などを歴任。2013年6月から韓国代表の指揮を取ったが、韓国は翌年のW杯でグループステージ敗退。ホン氏は代表監督を退任した。2021年からは韓国のプロサッカーリーグ・Kリーグ1に加盟するウルサン(蔚山)HOD FCの監督を務め、チームを2022シーズンと2023シーズンのKリーグ連覇に導いた。

ホン氏は2014年のW杯ブラジル大会以来10年ぶりに代表チームを指揮することとなったが、就任決定が発表されるや、ネット上でホン氏の評価は分かれた。「中途半端な外国人監督よりは、ホン氏の方がはるかに優れている」などと肯定的な意見があった一方、「戦術がまるでない」「終わった。ワールドカップは期待できない」などとホン氏の力量を疑問視する声も上がった。

また、ホン氏を選任するにあたり、手続きの過程に問題があったとの指摘も出た。選任に携わった元韓国代表のパク・チュホ氏が、動画投稿サイト「ユーチューブ」で代表監督選任の内情を暴露。監督選考において、外国人を排除する動きがあったなどと指摘した。一方、KFAは、パク氏の指摘に「マスコミとファンに大きな誤解を招いている」などと批判する声明を発表している。そのほか、代表監督の選定をめぐっては、韓国Kリーグの蔚山HOD FCの現役の監督職にあったホン氏を代表監督として「引き抜いた」ことにファンを激怒させた。

ホン監督は、7月29日に行われた就任記者会見で、2026年のW杯で16強以上を目指す考えを示した。Kリーグのファンから批判が出ていることについては「失望を与えたことを申し訳ないと思う」と謝罪した上で、「ファンから許されるためには、代表チームの成長と発展を成し遂げることだ」と述べた。また、「多くのリスクはコミュニケーション不足から来る。選手たちと気兼ねなく会話する」とし、「尊重・対話・責任・献身」の精神に基づき指揮を取る考えを示した。

ホン監督は先月26日には、アジア最終予選に出場する選手26人を発表した。聯合ニュースは、布陣について「韓国代表の主将、ソン・フンミン(トットナム)とファン・ヒチャン(ウルバーハンプトン)のツートップ、次世代エースのMFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)、守りの柱であるキム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)が予想通りの選出となり、ニューフェイス4人が加わった」と解説。「監督選びの手続きが不透明だったとの批判が出ている中、ホン監督は代表選出に当たり、『安定の中に変化』を与える選択をした」と評した。Jリーグからは、湘南ベルマーレのソン・ボムグン選手とFC町田セルビアのFWオ・セフン選手が選出された。また、来年1月にイングランド・プレミアリーグのトットナム入団が決まっている、18歳のFWヤン・ミンヒョク選手もメンバー入りした。韓国のKリーグ・カンウォン(江原)FCに所属するヤン選手は、同リーグ月間ヤングプレーヤー賞を4か月連続で受賞。今、注目の若きストライカーだ。イングランド・プレミアリーグ進出も、韓国選手として最年少での入団となった。

韓国代表は今月2日、W杯アジア最終予選に向け始動した。練習前に報道陣の取材に応じたホン監督は「胸が高まる思いもあるが、一方で恐れもある。過去に(代表監督を)経験したからだ」とこれから始まる最終予選を前に、心境を語った。

韓国代表チームは5日にソウル・ワールドカップ・スタジアムで行われる、パレスチナとの第1戦に臨む。
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