【ソウル聯合ニュース】在日本大韓民国民団(民団)中央本部の呉公太(オ・ゴンテ)団長と民団大阪本部の鄭鉉権(
チョン・ヒョングォン)団長が9日、聯合ニュースのインタビューに応じた。二人は5~8日にソウルで開催された、在外韓国人団体の会長や幹部が一堂に会する「世界韓人会長大会」に出席した。 在日コリアンを代表する民団中央本部の団長、そして韓国人が最も多く暮らす大阪エリアの団長であるがゆえに在日コリアン社会を誰よりもよく知る二人は、日本で生きていく上での苦労話で口火を切った。 二人によると、日本は「単一民族主義に固執する社会」のため、在日コリアンは差別を受けまいと日本人よりももっと日本人らしく生きていかざるを得ない。民団は排他的、保守的な政治家や社会団体を説得したり、反対したりするよりも、多文化を受け入れ自由主義的な考えの人々との交流により力を入れている。「日本人は表向きは親しいふりをしていても、なかなか本心を見せません。私たちはここで生きていかねばならないため、彼らと友好的に過ごそうと努力しています」◇両国のはざまで友好促進に努力 一方、近ごろ韓日関係がいつにも増して冷え込んでいることについて呉団長は、日本が歴史問題にきちんと反省や謝罪をせず、日本の政治家が過ちを認めない発言をしていることも一因だが、その背景には根本的に韓国の経済成長に対する警戒心があると分析した。「5年ほど前からメディアが韓国の急成長に驚きの反応を見せたり、サムスン電子がソニーや松下(パナソニック)を追い抜いたケースなどをこぞって報じたりし、日本が前と違い韓国を意識し始めた」という。 両国関係が悪化していることの弊害にも触れた。鄭団長は、関係の冷え込みや韓国人に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)の影響で、韓国料理店や韓流ショップ、韓国人経営者の多いパチンコ店などが厳しい状況にあると指摘。「何より大きな問題は、在日の次世代たちが自負心を傷付けられていること」と残念がった。 二人は、両国があつれきを深めるほど間に挟まれた在日コリアンの立場は苦しくなるが、それでも両国の懸け橋としての役割を投げ出すことはできないとし、友好関係の構築に向けた取り組みを紹介した。 呉団長によると、今月21日には民団が韓日親善協会と共同で韓日国交正常化50周年記念イベントをソウルのホテルで開く。計約1300人が集まる盛大な行事で、日本からは政治家を含め300人余りが出席する予定だという。 大阪では、古代朝鮮半島との交流の様子を再現した祭り「四天王寺ワッソ」を毎年11月3日ごろに開催している。「ワッソ」とは現代の韓国語で「来た」という意味になる。今年は11月1日に開催される。 鄭団長は、両国交流の象徴となる祭りのため、民団会館に祭りの事務所を提供するなど民団大阪が積極的に協力していると伝えた。当日は多くの在日コリアンが参加するという。◇民族教育に危機感 二人は、在日コリアンに対する差別よりも民族教育のための学校が不足していることが最も深刻な問題だと指摘する。日本国籍取得者を含めると90万人を超えるにもかかわらず、民族学校はたったの4カ所しかない。中でも東京韓国学校は日本の正規の学校として認められておらず、生徒の大半は1980年代以降に日本に渡り、定住した「ニューカマー」の子どもだ。学校設立費用も教師も足りず、母国の関心と支援が切実だと二人は口をそろえる。 呉団長は早急に民族学校が必要な地域として神戸、愛知、福岡、千葉、埼玉を挙げた。だが、これよりもっと喫緊の課題は1園しかない幼稚園を増やすことだという。 呉団長は、在日1~2世と違い日本で生まれ育つ次世代の子どもたちに対し、幼いころから民族意識を植え付け、アイデンティティーをはぐくむことで、国籍に関係なく韓民族として生きていく力を持たせることが大切だと説く。「これまで、帰化(日本国籍を取得)したり日本人と国際結婚したりすれば日本に同化してしまうと否定的にとらえられていましたが、アイデンティティーが確立していれば、むしろ日本国内に親韓派が増えることになりませんか?だから民族教育の始まりである幼稚園を増やす必要があるのです」 stomo@yna.co.kr
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