ヒョンビン の最新ニュースまとめ
■『アイルランド』で主役!
ヒョンビンは、シットコム『ノンストップ4』(2003年)でファンに知られるようになった。
このシットコムには当時、将来が期待される若いスターたちが何人も出演していて、最初ヒョンビンは脇役で出ていた。あまり目立たない役だったが、ヒョンビンはこの機会を生かし、たちまち重要な役に成長させて、人気を得るようになった。
撮影と放送がほぼ同時に行なわれる韓国のシットコムでは、最初に小さい役だったのにファンの反響によって大きな役に成長していくことがよくある。けれど、このときのヒョンビンは人気が少々あっても未熟なところが多く、よくあるカッコいい新人俳優の1人にすぎなかった。
ヒョンビンが有名になったのは、ドラマ『アイルランド』で主演を担ってからだ。2004年に放送された『アイルランド』は、今もファンに忘れられない思い出をたくさん残した。それほど話題となったドラマだった。
『アイルランド』の視聴率は高くなかったが、ヒョンビンを含む俳優たちの繊細な演技が多くの熱狂的ファンを生んだ。このドラマでヒョンビンは、新人らしからぬ落ち着きで、相手の先輩女優イ・ナヨンと息の合った演技を見せた。ヒョンビンは初めての主演だったが、監督、脚本家、先輩俳優たちから様々なことを学んだという。それは彼にとって大きな財産になった。
■『サムスン』で大ブレーク
2004年、年末のMBC演技大賞でヒョンビンが登場したときの歓声は、他のどの男優よりも大きかった。
それは、あまりに対照的な光景だった。『アイルランド』の制作発表会のときにヒョンビンはほとんど注目されず、質問を一つも受けなかった。まさか彼がこのドラマでトップ俳優になるとは誰も思わなかったのである。しかし、たった一つのドラマでヒョンビンは見違える存在感を見せた。『アイルランド』によって彼は名実共に主役級の俳優として認めてもらえるようになった。
翌年には、さらに大きな果実が実った。ヒョンビンが出演したドラマ『私の名前はキム・サムスン』(以後『サムスン』)は、50.4%という視聴率を叩き出した。彼はさらに幅広いファンから愛されるようになった。
しかし、『サムスン』での御曹司のイメージをそのまま延長した映画『百万長者の初恋』は興行で惨敗し、ヒョンビンはしばらく活動を休むことになった。
その後、久しぶりにドラマ『雪の女王』(2006年)で彼は帰ってきた。ただし、ヒョンビンの演技は好評だったものの、粗いストーリーと相手役の女優ソン・ユリの演技が不評で、視聴率がよくなかったし、視聴者からの評価も厳しかった。
「このドラマから得られたのは、ロケ地の美しい景色とヒョンビンの演技だけ」
ヒョンビンにとって、そう言われたのがわずかに救いだったが、主役として責任を感じないわけにはいかなかった。この作品以後、ヒョンビンは再び水面下に潜り込んだ。
■永く続けられる基盤
結局、2005年の『サムスン』以後の作品は、どれも高い評価を得られていない。これは、ヒョンビンにとって大きな精神的負担になった。
あるインタビューで彼が「大衆から忘れられてしまうのが何よりも怖い」と吐露したほどだから、その苦しみは相当に深い。
多くのファンも心配していた。
しかし、ヒョンビンの作品選択は失敗の連続だったと言えるだろうか。
ヒョンビンの出演作のなかで最も重要なターニングポイントとなったのはドラマ『アイルランド』だった。イ・ナヨンという安定した演技力を持っている先輩が相手役という点が彼にとって心強かったが、シナリオ作家のイン・ジョンオクの独特なキャラクターと繊細な感受性から出るセリフはまだ新人と言えるヒョンビンが挑むには難しいものだった。特に彼の前作が軽いタッチのシットコムで、一般のドラマでの主演はこの作品が初めてだと考えると、危ない選択ではないかと心配された。いくらマニアから支持され、固定ファンを持っているイン・ジョンオクのシナリオだとしても、大衆的とは言えないドラマを初めての主演作としたことは、若い新人俳優には危険な要素が多すぎた。
しかし、まるで初めから彼のために作ったようなピッタリ合うキャラクターと、それを120%生かしたヒョンビンの演技力は、彼が短期間に消えていく若きスターでないことを視聴者に知らしめた。そして、次作の『サムスン』がメガヒットして、彼の人気は急上昇した。キム・ソナのドラマとも言える『サムスン』だったが、ヒョンビンは彼女に負けない演技を見せた。
その後に選んだドラマ『雪の女王』でも同じだった。視聴率では成功しなかったが、少なくともヒョンビンが持っている俳優としてのイメージを強固にするには十分な作品だった。ヒョンビンが担った役はすべて彼に似合う役で、見ていても安定力のある演技を見せた。
いつ背を向くかわからない大衆の人気に執着するよりも、着実に実力を認めてもらえる作品を選んだことによって、彼は俳優として永く続けられる基盤を作ったのではないかとも思える。
(中編に続く)
文=朴敏祐(パク・ミヌ)+「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)
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