【ソウル聯合ニュース】昨年から今年にかけて複数の北朝鮮の外交官が脱北し、韓国入りしているもようだ。在英北朝鮮大使館のテ・ヨンホ公使が第三国への亡命を申請したとする英メディアの報道と関連し、北朝鮮消息筋が17日、聯合ニュースの取材に対し明らかにした。 一昨年に在タイ北朝鮮大使館の外交官が韓国に亡命したのに続き、昨年5月にはアフリカ駐在の北朝鮮外交官が韓国に亡命。今年に入ってからも、英国にいたテ公使をはじめ各国に駐在している北朝鮮外交官の亡命が続いているという。 北朝鮮における外交官は金正恩(キム・ジョンウン)体制を支える最高階層の一つで、韓国の政府当局や北朝鮮専門家は相次ぐ外交官の亡命を「エリートたちの離脱」の一環と見て、動向を注視している。 特にテ公使は金正恩・朝鮮労働党委員長の統治が誤解を受けており、間違った報道をされていると外部に主張する宣伝担当だっただけに、その波紋に注目が集まる。 北朝鮮の元外交官は「外交官は(北朝鮮が)体系的に養成し育てたエリート階級」とした上で、エリート層の流出が起こっているとの見解を示した。 また、外交官の脱北は金正恩党委員長としては非常に腹が立つことと指摘。その上で「エリート層の脱北は北の体制に対する絶望」と評した。 テ公使の亡命については、「苛酷な粛清・恐怖統治を日常的に行っている金正恩体制で、自身はもちろん、子供たちにも未来がないという絶望感が亡命の最も大きい背景と考える。結局、金正恩体制に対して嫌気がさしたのだろう」と話した。 北朝鮮外交官の脱北と韓国入りは2000年代初めには時折発生していたが、最近はあまりなかった。 1991年5月には在コンゴ北朝鮮大使館で1等書記官を務めていた高英煥(コ・ヨンファン)氏が、96年1月には玄哲海(ヒョン・チョルへ)元人民武力部第1副部長のおいで、在ザンビア北朝鮮大使館で3等書記官を務めていたヒョン・ソンイル氏が、2000年10月には在タイ北朝鮮大使館で貿易、科学技術参事官として働いていたホン・スンギョン氏がそれぞれ脱北し、韓国入りした。  また1997年8月には当時駐エジプト北朝鮮大使だった張承吉(チャン・スンギル)氏とその兄が、1999年1月には在ドイツ・ベルリン北朝鮮利益代表部のキム・ギョンピル書記官夫妻が米国に亡命した。
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