【ソウル聯合ニュース】13日午前、マレーシア・クアラルンプールの空港で殺害されたとされる北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏は、故金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男で、金正恩(
キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の腹違いの兄に当たる。 正日氏と成恵琳(ソン・ヘリム)氏の間に生まれた正男氏は、1980年代にスイスに留学して政治外交学を学んだ。 少なくとも2000年代初めまでは正日氏の後継者として有力視され、2001年まで国家安全保衛部(秘密警察、現国家保衛省)に勤務し幹部を歴任した。 正男氏が後継者争いから外れた決定的なきっかけは、01年に起こった日本への密入国未遂事件だった。 同年5月、正男氏は息子と2人の女性を同行し、偽造パスポートで成田空港から日本に入国しようとしたが、身柄を拘束され強制退去処分を受けた。 11年に金正恩政権が発足してからは正男氏に対する経済的支援が事実上打ち切られ、困窮した生活を送っているとも報道された。 正男氏と正恩氏の叔母の夫で、正男氏を気にかけていたとされる張成沢(チャン・ソンテク)氏が13年に処刑されてからはさらに窮地に追い込まれ、中国や東南アジア、ヨーロッパを転々とした。 しかし、日本のテレビ局とのインタビューで「個人的に3代の世襲には反対だ」と発言するなど、正日氏の長男で「正当な血統」とされる正男氏は正恩氏にとって目障りな存在だった。 このような状況から、正恩氏が自身の権力を維持するのに障害となる兄を暗殺した可能性があるとの指摘も出ている。
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