【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、平壌でこの日、最高人民会議(国会に相当)の第13期第5回会議が開かれ、金正恩(
キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が出席したと報じた。朝鮮中央テレビが午後11時(日本時間)ごろ放映した最高人民会議の録画放送では人民服姿の金委員長がひな壇に座った。注目されていたトランプ米政権や韓国の次期政権などを念頭に置いた特別な対外メッセージ発信はなかった。 会議では、前外相の李洙ヨン(リ・スヨン)党副委員長を「最高人民会議外交委員会」の委員長に選出した。北朝鮮は1990年代、最高人民会議傘下の委員会の一つとして外交委員会を設置していたが、最高人民会議常任委員会の新設に伴い98年に廃止。19年ぶりに外交委員会を復活させ、対外関係の改善に力を入れる姿勢を示した。 外交委員には、対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会のリ・ソングォン委員長、かつて対米・核外交の主役だった金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官、対外経済相を務めた李龍男(リ・リョンナム)内閣副首相らが選出された。 韓国シンクタンク・世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)統一戦略研究室長は、外交委員会は対外経済協力、対韓国交渉、対米外交、民間外交などの主要関係者で構成されているとし、「対韓国、対西側諸国(対米・対日)外交のための主要機関として活用する狙いが読み取れる」と説明した。 一方、会議では組織問題も案件として議論されたが、1月に党組織指導部から調査を受け国家保衛相(秘密警察トップ)を解任されたと伝えられる金元弘(キム・ウォンホン)氏の後任などに関する発表はなかった。国家保衛相のポストは空席状態とみられる。金元弘氏は、同日行われた金正恩委員長の最高指導者就任5周年を祝う中央報告大会と最高人民会議のひな壇に姿を見せなかったことから、粛清説は事実との見方が強い。 このほか、会議では科学工業相に張吉龍(チャン・ギルリョン)氏を任命した。
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