朝鮮半島旗を手に合同入場する南北選手団=(聯合ニュース)
朝鮮半島旗を手に合同入場する南北選手団=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】「全世界に強力な平和のメッセージを伝えました」――。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は9日の平昌冬季五輪の開会式でこのように述べた。 今回の平昌五輪は世界最大のスポーツ祭典という意味を超え、南北関係の改善や朝鮮半島情勢の大きな局面転換期をつくる「平和五輪」としての役割を果たした。 昨年末、海外の選手らは平昌五輪への参加を悩むほど、朝鮮半島情勢は緊張が高まっていた。北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル実験と、米国の強硬対応による米朝対立の激化で、戦争の勃発が懸念されていた。 こうした状況で、北朝鮮の平昌五輪参加は局面転換の大きな契機となったほか、「平和五輪」の象徴になったと言える。 北朝鮮の参加は単に大会出場という意味を超え、南北が一つになることにつながった。南北の選手団が朝鮮半島旗を手に合同入場した場面やバンクーバー五輪フィギュアスケート女子金メダリスト、キム・ヨナさんが南北の選手2人から聖火を受け取って点火した場面は全世界に平和のメッセージを伝えるのに十分だった。 特に、アイスホッケー女子の南北合同チームは5戦全敗で五輪を終えたものの、一つの民族であることを再確認できたことから意味深かった。 北朝鮮が派遣した230人の応援団は北朝鮮選手だけではなく、韓国選手の試合でも応援を行い、五輪の平和ムードを高めた。 北朝鮮が平昌五輪の開会式に合わせ金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏らを派遣したのは南北関係という面では今回の五輪のハイライトだった。 金委員長は特使として派遣した与正氏を通じ、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を平壌に招待するとのメッセージを送り、事実上南北首脳会談を提案した。 平昌五輪を機につくられた朝鮮半島の平和ムードが今後も続くか注目される。北朝鮮は閉会式にも金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長を団長とする高官代表団を派遣しており、平昌が朝鮮半島平和の出発点になるとの期待が高まっている。
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