音楽市場の沒落を論ずる時には、“10代メイン”“10代中心”という決まり文句が外せない。10代だけに合わせた音楽ばかりを育ててきたK-POP界が、10代の購買意欲や趣向が変わると、これに替わる音楽を見つけられなかったということだ。音楽番組も全く同じである。トップスターの素晴らしいステージを見せ、潜在力のある新人を発掘しなければならない音楽番組は、「子供の見るもの」という固定観念に固められたまま、低調な視聴率を記録している。MBC<ショー!音楽中心>KBS<ミュージックバンク>SBS<人気歌謡>といった音楽番組すべてが、ライバルであるドラマの再放送にも劣る成績を収めている。

チョ・ソンモ の最新ニュースまとめ

これらの番組は、口パクが多かった1990年代後半の音楽番組より、はっきりと進化した側面はある。アイドル歌手の実力も、当時より格段と良くなり、ジャンルもダンスかバラードだった当時より多彩になった。それにも関わらず20代になると、音楽番組を見ることが恥ずかしくなる理由を探してみよう。

<b>#1 ぎこちないMCと無理矢理な台本の絶妙な組み合わせ</b>
MCは番組の顔だ。しかし、音楽番組の顔たちは「10代だけ見てくれ」と訴えている。近頃、最も高い人気を博している青春スターたちがMCを務めるのは、一見妥当とも思えるが、その進行ぶりが見ている人たちをヒヤヒヤさせるとしたら、それは大きな問題だ。実際に一部のMCは、台本を鼻先まで掲げて読み上げたり、次に紹介する曲名を忘れてジタバタしたりもする。彼らに無条件の愛を捧げる視聴者でなければ、不安でチャンネルを回してしまうはずだ。

彼らがやりとりするトークも、あまりにありきたりだ。異性の歌手が出れば歓呼し、同性の歌手が出ればけん制する。男女のMCが無表情で互いへの愛情を誇示する進行は、“男コンビMC”が登場しても相変わらずだ。ある時には堂々と「皆さん、休みに入ったから嬉しいでしょう」と言い、テレビを見ている20代以上の視聴者を“恥ずかしく”させる。

<b>#2 無茶苦茶なカメラワークと忙しい照明</b>
昨年、東方神起が、『“0”-正・反・合』でカムバックした時のことだ。ダンスが“すごい”という言葉を聞き、テレビの前に人々が集まった。しかし、カムバックステージを見ても、一体何のダンスを踊っているのか、全くわからなかった。カメラはひっきりなしに回り続け、照明はあらゆる色の光を浴びせていた。バックダンサーと東方神起メンバーの顔も見分けにくいほどだった。テレビを一緒に見ていた数人の“大人”たちは、吐き気を訴えた。
ハイライトの部分では、なぜかファンの顔がクローズアップされたり、歌っているメンバーの代わりに、息を整えるメンバーの顔が画面いっぱいに映ることも頻繁にある。

<b>#3 未だにオーケストラとバラード?</b>
正直言って、歌手たちの舞台演出も、以前と大きく変わるところはない。チョ・ソンモが試みて話題を集めた“オーケストラによるステージ演出”も、先日チャン・ナラのカムバックステージで再現された。そして相変わらず、楽器は“アテ弾き”だった。

BoA(ボア)、Rain(ピ)、オム・ジョンファ、SE7EN(セブン)、イ・ヒョリといった、代表的なパフォーマンス型のトップ歌手を除いては、全般的に、視聴者の目を見開かせるほど差別化された点もない。ケーブルチャンネルで見てきた、派手なミュージックビデオに比べると、これらのステージは“無難な”レベルだ。

<b>#4 出演者までまったく同じ?</b>
テレビ局3社の音楽番組の出演者は、驚くほど同じである。活動する歌手の数が、それだけ少ないということもあるが、各番組なりのコンセプトというものが全くない。従って、近頃の音楽に関心があったら、3局から1つの番組だけを見ればいいのだ。何度でも見るという“熱血ファン”はわからないが、衣装だけ着替えて登場した歌手たちの、まったく同じステージが楽しいわけがない。

さらに、歌手たちのステージは4~5分単位に編集され、UCC動画として広まっている。週末の午後、家でテレビを見る可能性がほとんどない20代は、話題になったステージだけを動画で見ればすむ。

<b>#5 想像を超えるファンの愛</b>
観衆の熱烈な歓声は音楽番組を支える力となるが、“とりあえず叫んでみる”という悲鳴は、音楽番組を“彼女たちだけのリーグ”にする。特に、バラード歌手が歌う際、突如聞こえる「○○オッパ、サランヘヨ」といった声は、野球場を連想させる。客席がホームランを飛ばせと大声で叫んでいるのに、1人、目をつぶって懸命に感情を整えようとする歌手を見ると、自然に笑いがこみあげてくる。

公開収録の観覧がストレス解消にいいということはよくわかるが、歌を聞きにきた一般の視聴者にも、もう少し配慮してくれたらどうだろうか。音楽番組が“10代ファンの勢力争いの場”になった現実こそが、これらの番組を「子供の見る番組」と断定してしまう、“大人”たちの固定観念への、最も決定的な口実を作ってしまっているようである。


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