「バラードをよく歌う歌手だからといってバラードしか歌わないわけではない。たまにはダンス曲も歌うでしょう。ジャンルが変わったからといって歌手の声が変わるわけではない。『花よりもなほ』は、わたしにとってそんな映画だ」

ソル・ギョング の最新ニュースまとめ

映画『花よりもなほ』の韓国公開を控え、是枝裕和監督が11日に韓国を訪問した。ソウル・大学路のカフェで会った是枝監督は、作品について「観客向けのサービス」という言葉で表現した。

『花よりもなほ』は、武士が父の仇討ちをし復讐を果たす過程を描く。しかし、それは血の復讐ではなく和解と許しの復讐だ。<カンヌ国際映画祭>などでも大きな話題を呼んだ前作『誰も知らない』をはじめとするこれまでの作品と比べると、ユーモアたっぷりの今作は監督の言葉通り、だれでも気軽に楽しめる映画だ。「楽しく鑑賞して笑って、映画館を出るときに観客の力になれる、そんな映画であったら」という是枝監督の願いは、華やかな画面に分かりやすい映画的表現とユーモア、そこに含まれたメッセージで表現された。

作品の出発点は、米国の同時多発テロだったという。その後も世界のテロ事件を目にするなかで、この映画の企画が生まれた。「事件の解決策を復讐ではなく、許すことと和解することに見出すことはできないものかと悩んだ」と振り返った。ドキュメンタリー作家出身の是枝監督は、実際の出来事を映画のモチーフとすることが多い。「印象的な事件に出会うと、これを映画にもできないだろうか、セリフにはどんな表現を使おうか、といろいろ考えが浮かんでくる。そういう疑問を1つ1つ解決しながら映画を撮影していくんです」と語る。

自身の作品世界について説明してほしいと頼むと、「考えてみたこともない」という答えが返ってきた。まだ5本撮ったばかりで、何と言っていいのか分からないと話す。また、初の時代劇演出となったが、これは時代劇ファンの母親も楽しめる新しい侍映画を作ろうという、素朴な親孝行だったと紹介した。

『花よりもなほ』にはV6の岡田准一、宮沢りえ、浅野忠信といった日本のトップスターが出演した。シナリオを書きながらそれぞれの役割に合った俳優はだれだろうと考えていたというが、実際に考えていた通りの俳優がキャスティングされ、非常に満足していると話した。主人公の青木宗左衛門を演じた岡田准一については、「コメディ、アクション、真剣な内面的な演技まで、すべてができる俳優」と賞賛した。アイドルスターという先入観を破る見事な演技を披露した。

是枝監督の作品には、貧しいながらも幸せに暮らす人々の物語がよく登場する。監督自ら、「幼いころ貧しかったので、彼らの人生をよりリアルに描くことができる。だからよく登場するのではないか」と分析した。ただ、「貧しくとも幸せだ」というメッセージを込めようとしているのではなく、「貧しくとも幸せになれるのだ」という可能性を語りたいのだと説明した。

韓国映画界について話が及ぶと、ポン・ジュノ監督は「尊敬する」、イ・チャンドン監督は「本当に大好きな監督」と紹介した。最高の演技派俳優はソル・ギョング、最高の美人女優には引退したシム・ウナの名前を挙げた。


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