俳優テジュが出演する水木英昭プロデュース15周年記念舞台「蘇州夜曲」のワンシーン
俳優テジュが出演する水木英昭プロデュース15周年記念舞台「蘇州夜曲」のワンシーン
俳優テジュが出演する水木英昭プロデュース15周年記念舞台「蘇州夜曲」が、11月17日(日)~24日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演。本作は、東京のとある繁華街を舞台に、裏社会を生きる漢(おとこ)たちに巻き込まれながらも、太く強く美しく生き抜く女たちの悲恋を描いたヒューマンエンターテインメントコメディーで、1999年に初演され、今回で5度目の再演となる人気作だ。

 激化する組織抗争の中、鉄砲玉として動き街から姿を消し、5年ぶりに戻ってきた主人公の氷村玲司役を山本一慶が務め、桑野晃輔、新垣里沙、菅原ブリタニー、テジュらが出演。
初日前日の16日(土)には公開ゲネプロと、山本一慶、水木英昭、テジュ、山田邦子が登壇し、囲み取材が行われた。

 本作で、氷村の兄貴分で組長の郷田を演じるほか、構成・演出・脚本も務める水木は「氷村玲司を演じた時代も20年前にございました。20年の時を経て、組長に変わりました(笑)。そして、この15周年をステキな役者に囲まれて迎えられることを本当にうれしく思っております」とあいさつ。

 そして、水木プロデュースとして、15周年の節目にこの作品を上演することにした理由について、「裏社会を描いた作品ですが、ヒューマンコメディってところでいうと、自分たちの作品の中では、一番普遍的なものなのかなというところもあって、もう一度ここで気持ちを新たに、原点も振り返りつつ、前を向くためにこの作品を選ばせていただきました」と説明した。

 任侠作品に出演するのは初めてという山本は「氷村玲司という役をやらせていただけることを光栄に思っています。(稽古は)短い期間だったんですが、周りに支えられて、全力で過ごした日々でした。やっとステージに立てるということで、全力でこの物語を届けていきたいと思います」と意気込み、氷村役については「生き様がすごいなと思いました。玲司は“どういう人間だったんだろう”っていうことを水木さんともいっぱいお話させていただきながら、すごくいいアドバイスをいただいて、自分の中でも刺激を受けましたし、生き様っていうものをダイレクトに届けられたらいいなと思いながら、お芝居をさせていただいています」と力を込めた。

 また、謎のバーのマスター、健人役を演じるテジュは「歴史のある作品で、ステキな役を演じさせていただいて、すごくうれしく思っています。足りない部分もいっぱいあるんですけど、ちゃんとできるように頑張ります」と笑顔を見せ、「細かい芝居とか、ギャグのテンポとか最初はぜんぜん分からなかったんですけど、それを先輩たちが細かく説明してくださったので、すごく勉強になりました」と共演者にも感謝した。

 今回、特別出演として、Wキャストでフェラーリ役を演じる山田は「水プロさんとは、本当に仲良くさせていただいて、今年は『山田邦子の門』を一緒にやらせていただきましたので、ちょっとでもいいから出させてくださいとお願いして、こういうことになりました。お稽古を見させていただいたんですけど、まとまりが良くて、幕が開くのが楽しみです。みんなケガのないよう祈っております」と共演者を気遣い、「一慶君にしても、テジュ君もそうだし、すごい立ち回りがあるので、楽日までケガのないよう祈りますけど、よく練習しましたね~。素晴らしいです!」と思わずうなった。

 本作は冒頭から、迫力のある殺陣のシーンで目を惹きつけ、歌、ダンス、アクションが散りばめられ、見応え十分。主演の山本は三線の弾き語りまである。「いろんな姿を楽しんでいただけたら。新しい自分が見せられるのと、新しい挑戦ができるんじゃないかなというワクワク、ドキドキがすごく強いです」と目を輝かせる山本に、「めっちゃカッコいいですよ。そのカッコよさがどんどん加速していくの。もうたぶん、虜になると思います。それに、素直で曲がっていない性格なので、ステキないい男に出来上がっています」と山田も太鼓判。

 また、水木から「精悍ですし、真面目ですし、役者としても凛として、とても素晴らしい逸材だなと思いました」と物語のカギを握る健人役に抜てきされたテジュも、劇中とぼけた感じの表情や演技で、いい味を出しながら、独特の空気感を放ち、存在感を発揮。「初めて台本を読んだとき、この作品をやりたいって気持ちになって、“絶対頑張ります!”ってアピールしました。だから、出演が決まって、すごくうれしかったです。全力でやりたいって思いました」と気合十分のテジュは歌、殺陣はもちろん、昔やっていたというコンテンポラリーダンスの経験を生かし、しなやかなダンスを披露するシーンも。やはり山田から、「私は今回、初めましてなんだけど、とってもファンになりました。すごく魅力的な方ですよね~」と絶賛されっぱなしだった。

 この作品は、“手に汗にぎる、笑い”というキャッチフレーズがあるように、シリアスと笑いのバランスが絶妙で、笑えるところは笑えるし、泣けるところはしっかり泣ける舞台。
見どころ満載だが、山本は「僕個人のシーンでは、玲司の最後のシーンはすごく気合も入っていますし、想いが弾け飛ぶぐらい、心にある想いを表現しているので、そのシーンを見ていただけたらと思います」、テジュは「僕はエンディングです。みんなが出てきて、ありえるような、ありえないような感じの幸せなシーンになるんですけど、エンディングでまた違う、新しいところを見せられると思うので、注目してほしいなと思います」とオススメシーンを紹介。

 また、「私のシーンは息抜きポイントです」と話す山田は「毎日、時事ネタなども入れて、モノマネなどをさせていただきます。毎日、変化をつけて、そのシーンだけは、スタッフの皆さんも休めるような感じになればいいなと思っています。頑張ります」と笑いを予告した。

 そして、水木は「音楽を一切使わず、若者たちが仁義を切るシーンがあるんですけど、そこにはぜひとも注目していただきたいです。ある種、中盤のクライマックスでもあるんですけど、なかなか見たことのないパフォーマンスだと思います」と自信を示した。

 その仁義を切るシーンは、山本をはじめ、4人が組長に筋を通そうと仁義を切る、まさに本作の見せ場。漢を感じさせるカッコよさで、何度も見たいと思わせる名シーンなので必見だ。
他にも、男たちに劣らぬ、華奢で小柄な新垣のパワフルな殺陣のシーンなどもあり、エンディングまでテンポよく進む展開に、ハラハラドキドキしながら、目がくぎ付けになること間違いなし。女性も十分楽しめる作品なので、この機会をお見逃しなく!


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