キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
韓国メディアによると、北朝鮮の対外宣伝媒体「こだま」は3日、「向こう見ずな狂気」との見出しの記事を掲載した。
レッドフラッグについて「米国の指導の下で世界の国や地域を侵略するための戦争演習」とし、韓国軍が参加することに関しては「南朝鮮(韓国)の軍部が米国の対朝鮮(北朝鮮)侵略とインド・太平洋戦略実現の突撃隊の役目にのめり込み、向こう見ずになっている」と批判した。
北朝鮮はことし3月に行われた米韓軍事演習の際にも、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏が、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」を通じて談話を発表。「南の当局の同族対決の意識と敵対行為は治癒不可能な状態だ」などと強く批判した。
北朝鮮が反発している「レッドフラッグ」とはどのような演習なのだろうか。
レッドフラッグは米空軍の主導で1975年に始まった空戦軍事演習。米ネバダ州のネリス空軍基地やアラスカ州のイールソン空軍基地とエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で毎年数回開催されている。世界で最も大規模な航空戦訓練の一つで、米空軍のほか米国の軍事同盟国や友好国の空軍が参加する。レッドフラッグの名称は、米国のかつての敵国ソビエト連邦の国旗「赤旗」を意味する。
今回、米空軍と日本の航空自衛隊、韓国空軍が参加するレッドフラッグは、米アラスカ州のイールソン空軍基地とエルメンドルフ・リチャードソン統合基地を拠点に行われる。模擬戦闘環境を作り出し、戦術、技術などを相互に確認。各国空軍による相互運用性の向上を図る。
韓国は2013年からレットフラッグに参加しているが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により、2019年は韓国空軍のKF-16戦闘機の墜落事故で同系統の戦闘機が飛行中止となり、今回、3年ぶりに演習に臨む。F-15K戦闘機や輸送機などを送るという。
一方、日本の航空自衛隊からは那覇基地の第9航空団、浜松基地の警戒航空団が参加。派遣規模は人員が約170人、航空機はF-15J/DJ戦闘機が6機とE767早期警戒管制機が1機。コロナ禍によって2年ぶりの参加となる。
今年3月に韓国の首都・ソウルで開かれた米韓外務・国防閣僚協議(2プラス2)で米韓両政府は、北朝鮮の非核化の実現に向け緊密に協力していくことを再確認。また、地域の平和や安全保障のために日本を含む3か国が協力していくことでも一致した。今回のレッドフラッグは、それから初めて実施される3国間の演習となる。
韓国の聯合ニュースは、韓国の国防部が「2プラス2」の後、日本との軍事交流を再開させる意向を表明したとして「演習期間中、(韓国側と)日本側との軍事交流が行われるか注目される」と報じている。
そんな中、北朝鮮は、前述の「こだま」の記事でレッドフラッグを批判する中で、日米韓3か国の安全保障協力にも言及。「次第に深まる『3者安保協力』が何よりもわが共和国(北朝鮮)に狙いを定めていることは、誰もが知っている事実だ」と警戒感を示した。
その中、韓国軍は不祥事に見舞われている。韓国空軍の女性軍曹が空軍内のセクハラ訴え自殺したことだ。婚姻届を出した日に自殺したこの副士官は、自殺過程の動画を残すほど、自浄の出来ない組織に恨みを持っていた。
ムン・ジェイン(文在寅)大統領は「最高上級者まで報告と措置過程を含めた指揮ラインの問題もチェックし、厳重に処理するように」と話した。この「最高上級者」の範囲に国防部長官まで含まれるかについて韓国大統領府「青瓦台」は「指揮ラインだとすればすべて排除しないと思う」としている。その指揮ラインの最高上級者は今回の共同訓練の韓国側最高責任者であるソ・ウク(徐旭)国防長官になる。
また、その間、アストラゼネカ(AZ)製ワクチンの接種後に韓国軍の死亡事例も報告された。北朝鮮の顔色を伺ったのか、新型コロナを理由に米軍との共同訓練を渋ってきた韓国軍。米国から55万人全員分のワクチンが輸送されている間の出来事だ。
米国は当初の55万人分に加え、予備軍・民間防衛隊・軍事関係者分として合計101万人分のヤンセン製のワクチンを韓国に提供した。これは2回接種ではなく1回だけで免疫が得られるので、文大統領はこれ以上は新型コロナを理由に米韓軍事練習を渋ることは出来ない。しかし、コロナとは違う新たな”言い訳”が発生しているのだ。
韓国の経済成長と韓国人の豊かな生活。米国と日本の経済・軍事協力の上で成り立っている。韓国の心臓部ソウルと北朝鮮との距離が30~40kmしかない環境で、今の韓国の繁栄は奇跡のようなものだ。その奇跡には皆が知っている理由があり、それが日米韓の三角同盟であることは一目瞭然である。
今回の韓国軍の不祥事で、三角同盟の訓練と交流を妨げる何かが発生する可能性もある。1950年の朝鮮戦争の以降、1990年代までは韓国に「尚武の精神」が残っていた。しかし、2000年代になると、北朝鮮を圧倒する経済力で北朝鮮との平和を容易く経済力で買おうとする「文弱の心」がまん延している。
約1000年前の中国、自らを文弱にしてしまった宋は、平和をお金で買おうとした。その滅亡過程を見ると、「尚武の精神」と「条約の厳守」が如何に重要なのかが良く分かるだろう。国民の平和ボケとそれを利用しようとする政治家たちに、日米韓の軍事訓練の再開が訴えるものは大きい。
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