韓国大統領府に広がる「水産業者ゲート」疑惑…特赦は適切だったのか(画像提供:wowkorea)
韓国大統領府に広がる「水産業者ゲート」疑惑…特赦は適切だったのか(画像提供:wowkorea)
100億ウォン(約9億7千万円)台の詐欺を行った、「自称・水産業者」のメディアや政官界ロビー疑惑が提起されるなかで、過去彼が現韓国政府初の特別恩赦を受けていた事実が浮き彫りにされ、疑惑が高まっている。

キム・テウ の最新ニュースまとめ

 韓国の大統領府と法務部は「当時、基準を満たしたので赦免した」と釈明した。その後警察の捜査過程で有力者との癒着関係が続々と明らかになり、赦免の背景に対する疑いが大きくなっている。

 韓国最大野党「国民の力」のキム・ジェウォン最高委員は6日、ラジオのインタビューでキム・テウ容疑者が過去に現政府から特別赦免を受けた事実を指摘し、「大統領府がなぜこんな人を赦免したのか。黒幕がいるのではないか」と疑惑を提起した。

 キム容疑者は2018年6月から今年1月にかけて、船凍イカの販売事業を行うと融資をもちかけ、被害者7人から116億ウォン(約11億3千万円)相当の投資金をだまし取り、4月に拘束・起訴された。詐欺事件と見なされれていた今回の事件は、その後、キム容疑者の元・現職記者、有力政治家、検察や警察幹部などに対するロビー疑惑が浮上し、別名「水産業者ゲート」へと拡大の兆しを見せている。

 こうしたなかで、キム容疑者が過去詐欺で懲役刑を言い渡され、服役中に現政府の特別恩赦を受けた事実が明らかになり、大統領府に対する疑惑が広がっている。彼は2008~2009年に弁護士事務所の事務長を詐称して個人回生・破産手続きを手伝ってあげるとだました。被害者36人から1億6000万ウォン(約1560万円)を横取りして、2016年から服役していた。2017年12月30日、特別赦免を受けた。

 被害者の被害が弁償されていないにもかかわらず、赦免が行われたという点や、赦免直後に、再び詐欺を犯したという点で、赦免の背景に疑問の声が上がっている。

 これに対し大統領府は「刑執行率が81%で、当時罰金刑以外の犯罪前歴がなかったため赦免の基準を満たしていた」と釈明した。

 法曹界では、明確な事実関係の究明が必要だと指摘している。特に、赦免の基準自体が毎回異なり、大統領府や法務部、刑務所に至るまで、たびたびロビーが行われている。キム容疑者も同様に配慮された可能性を排除できないと判断しているという。

 最高検察庁検察改革委員を務めたある弁護士は、詐欺師の赦免自体が不適切だったと評価した。「これまで現政府は赦免の主要対象者として、生計型の犯罪をあげてきた。被害者を計画的にだます詐欺犯に、生計型はあり得ない」と断言した。「一般刑事犯の赦免はその基準がほとんど知られていない。特別配慮や不正が発生する余地が大きい」とし、「大統領府が疑惑を晴らすには、当時、特別赦免のうち詐欺犯は何人だったのか、なぜ赦免したのかなど具体的な赦免の理由を明らかにしなければならない」と指摘した。
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