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岸田首相は今月6日、補正予算案審議のために開いた臨時国会の所信表明演説で外交分野の課題を取り上げて「重要な隣国である韓国には、日本の一貫した立場に基づいて引き続き適切な対応を強く要求する」と述べた。
所信表明演説は臨時国会が始まる時に首相が当面の政治課題に関する立場を表明するもので、今年10月4日に就任した岸田首相は10月8日に行った演説に続いて今回が2度目の演説だった。
岸田首相がこの日の演説でたった一文で明らかにした韓国関連の言及は、旧戦犯企業と日本政府の賠償責任を認める韓国司法府の判断が下された元徴用工および元慰安婦問題について妥協しないというメッセージを改めて投じたものだと受け止められている。
岸田首相は初の所信表明演説でも「韓国は重要な隣国」としつつ、「(日韓関係を)健全な関係に戻すためにも、我が国(日本)の一貫した立場に基づいて韓国側に適切な対応を強く要求していく」と明らかにした。
「韓国側に適切な対応を要求する」ということは、日本の植民地時代の元徴用工らに関する日韓間の葛藤懸案が1965年に締結された日韓請求権協定と2015年の日韓外相による慰安婦合意などで解決されているため、これを認めなかった韓国裁判所の判断は国際法違反という無理な論理を掲げ、韓国政府に司法的判断を是正する対策を出せという主張だ。
岸田首相は特に外務大臣として慰安婦問題の解決に関する日韓外相合意を導いた日本側の当事者であり、この主張に一層執着しているという指摘が出ている。
岸田首相は実際に慰安婦合意について「世界が高く評価した合意」であるとし、「韓国はその基本をしっかり守りながら考えてほしい。ボールは韓国にある」と言及するなど、これまで両国間の葛藤解決の責任を韓国政府に転嫁する態度を見せてきた。
この日の所信表明演説でそのような立場を再確認したものと分析される。
また、岸田首相は北朝鮮による日本人拉致問題についても従来の立場を繰り返し明らかにした。
「拉致問題は最も重要な課題」であるとし、「すべての拉致被害者が一日でも早い帰国を実現するために米国を含む各国と協力し、すべてのチャンスを逃さず全力を尽くす」と述べた。
そして、拉致問題解決のために、条件を付けずに北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と会うという決意を再び明らかにした。
北朝鮮との究極的な関係については、2002年9月に故金正日(キム・ジョンイル)前総書記(当時)と小泉純一郎元首相が平壌で会談して発表した「日朝平壌宣言」に基づいて拉致、核、ミサイルなどすべての懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化の実現を目指すという日本政府の既存路線を再確認した。
岸田首相は日本政府が唯一の同盟国と規定する米国との関係に対しては「できるだけ早期に米国を訪問し、バイデン大統領と会談して日米同盟の抑止力と対応能力を一層強化する」と述べた。
周辺国の中国との関係については「主張すべきことは主張し、責任ある行動を強く求め、共通の課題には協力して建設的かつ安定的な関係を構築することを目標にする」と言及した。
ロシアとの関係については「北方領土問題を解決し、平和条約を締結するという方針に従って両国関係全般の発展を目指す」と述べた。
岸田首相はこの日、演説を通じて安保分野の主要課題として、敵の基地攻撃能力を含むすべての選択肢を検討し、防衛力を根本的に強化するという考えも改めて明らかにした。
そして、「国家安保戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の安保関連の3つの戦略文書の改訂版を今後1年かけて作成する」と述べた。
日本の安保政策の基本指針を盛り込んだ現行の国家安保戦略は、安倍晋三政権時代の2013年12月に初めて作成された。
また、現行の防衛大綱と中期防衛力整備計画は2018年12月に作成されたものだ。
防衛大綱は約10年間に日本政府が推進する防衛力の目標水準を示すものであり、中期防衛力整備計画は防衛大綱に基づいて今後5年間の防衛費予想値と必要な防衛装備数量を規定するものだ。
岸田首相は改憲問題に対しては「与野党の枠を越えて国会で積極的な議論が行われることを心から期待する」とし、「国民の理解を一層深めることが重要だ」と言及するにとどめた。
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