ソウル・鍾路の食堂街(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウル・鍾路の食堂街(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】今年上半期(1~6月)の韓国経済成長率が3%に迫り、今年の成長率は2%台中盤となる可能性が高まった。しかし、主要国の金融引き締めによる下半期(7~12月)の世界の景気低迷の可能性や物価高などのリスク要因が残っている。 韓国政府と韓国銀行(中央銀行)によると、韓国の上半期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比2.9%増となった。このままのペースなら今年の年間成長率は2%中盤となる可能性が高い。 7~9月期と10~12月期の成長率が0%だったとしても今年の成長率は2.5%となる。マイナス成長でなければ政府が6月に発表した新政権の経済政策方向を通じて予測した成長率見通し(2.6%)に近くなる。 米中が急激な景気低迷に陥らず輸出の増加傾向が続けばマイナス成長となる可能性は低いとの分析だ。1~3月期は輸出が3.6%、4~6月期は民間消費が3.0%それぞれ増加し、経済成長を主導した。 国際通貨基金(IMF)は26日までに公表した最新の世界経済見通しで、今年の韓国の実質成長率を2.3%と予測し、4月時点の予測を0.2ポイント下方修正した。これについて、韓国政府は同じ日に発表した4~6月期のGDP(速報値)を考慮していないと説明した。 韓悳洙(ハン・ドクス)首相は26日に行われた国会の対政府質疑で、「新型コロナ感染防止策の緩和により民間消費が増えている。韓国銀行や政府が予想していたほどではないが、2%台中盤程度の経済成長は見込めるのではないかと思う」と述べた。 5月末に執行された補正予算の効果も7~9月期まで影響を与える可能性がある。 今月1~20日の輸出額(通関ベース、速報値)は前年同期比14.5%増加した。輸出増加率が21カ月連続プラスを記録する可能性が高い。 一方で、下半期の経済成長のリスク要因は山積している。 最近の物価上昇傾向は家計の消費を冷え込ませかねない。物価高は消費者の財布のひもを締める要因だ。 購買力を示す実質国内総所得(GDI)は4~6月期に前期比1.0%減少した。 物価上昇を抑えるために各国の中央銀行が金融引き締めに乗り出していることも負担となっている。 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で先月に続き0.75%の大幅な利上げを決定したほか、欧州中央銀行(ECB)も今月、政策金利を0.5%引き上げた。 この影響で米実質GDPが2四半期連続のマイナス成長となるなど、景気後退への懸念が高まっている。 韓国銀行は報告書で、主要国の利上げ加速は先進国と新興国の景気鈍化を招き、輸出に対する否定的な影響が強まるとの見通しを示した。 韓国にとって主要輸出先の中国も「ゼロコロナ政策」を固守するとみられ、見通しは明るくない状況だ。 今年の経済成長率が2%台中盤を維持したとしても、来年は成長率の下方修正が避けられないとみられる。 IMFは最新の世界経済見通しで、韓国の来年の成長率を2.1%と予測し、4月時点から0.8ポイント下方修正した。引き下げ幅は今年の成長率見通しの下げ幅(0.2ポイント)を大きく上回った。 また、IMFは今年の世界経済成長率見通しを0.4ポイント、来年の成長率見通しを0.7ポイントそれぞれ下方修正した。今年よりも来年の見通しが暗い。インフレと緊縮が来年本格的に影響を与えるとの認識が反映された結果とみられる。
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