キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
NKニュースは今月7日、衛星写真を分析した結果、先月中旬から金剛文化会館、オンジョンガク(温井閣)東館と西館など金剛山観光施設や、南北離散家族の面会所などで解体撤去作業が行われている様子を確認したと報じた。金剛文化会館は南北の文化交流の拠点とも言える施設で、南北の歌手による交歓公演のほか、韓国の文化に触れることが難しい北朝鮮では異例な韓国人歌手の単独公演も開かれた。温井閣は金剛山観光の出発地になっていた施設で、かつて食堂や土産物店などが入っていた。NKニュースは「7月15~25日の衛星写真を見ると、金剛山文化会館と温井閣の西館の屋根の色が変わっている。周辺の床にも白色の物体が積もっており、解体撤去作業を行った可能性がある」と報じた。
金剛観光地区では今年3月にはヘグムガン(海金剛)ホテル、4月にはアナンティリゾートの解体作業が行われていることが確認されており、北朝鮮による南北共有財産の一方的撤去が相次いでいる。
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、2019年10月に金剛山を視察した際、観光地区の韓国側施設について「見るだけで気分が悪くなる。みすぼらしい南側の施設を全て撤去すべき」と指示を出した。これを受けて北朝鮮は同ホテルの解体に着手する動きを見せたが、新型コロナウイルスの流行を理由に2020年1月、解体作業を延期することを韓国側に伝えていた。しかし、米国の政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は3月、作業が進められていることを伝えた。韓国統一部はこの動きに強い遺憾を示し、北朝鮮側に撤去作業の状況を通知するよう要請。しかし、北朝鮮側から回答はなかった。
景勝地・金剛山を訪れる金剛山観光事業は、南北対話を重視する金大中(キム・デジュン)政権下の1998年にスタート。北朝鮮出身で現代財閥の創業者、故チョン・ジュヨン(鄭周永)氏が率いる現代グループの現代峨山が開発を手掛けた。同事業は南北融和の象徴とされたが、2008年7月、金剛山を訪れた韓国人女性観光客が北朝鮮兵によって射殺される事件が発生。これを契機に金剛山観光事業は中断した。2018年に金総書記と当時のムン・ジェイン(文在寅)大統領が金剛山地域への観光客受け入れを再開することで合意したが、実現しないまま現在に至る。
聯合ニュースの取材に応じた韓国統一部の当局者は8日、金剛山観光地区にある韓国側施設のうち、温井閣と現代峨山金剛山事業所について撤去作業が進められていることを把握したと明らかにした。この当局者は聯合ニュースに「これまで金剛山観光地区で北が韓国側施設を無断撤去する動きを厳重に注視してきた」とした上で、「北のこのような行動は明白な南北合意違反で、我々の財産権に対する不法侵害であり、すべての責任が北にあることを明確にする」と遺憾の意を表した。
北朝鮮が一方的に施設の撤去作業を進めている理由について、ある専門家は、南北関係が冷え込んだことへの不満の表れであり、韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)政権と米国に向けた圧力の一環との見方を示している。また、北朝鮮は、金剛山観光地区を独自に開発する計画を持っているとの見方も出ている。ある情報筋は、韓国紙・中央日報の取材に「北朝鮮が金剛山観光地区の敷地に大規模な乗馬場の建設を計画している」とし、「事実、(北朝鮮の)キム・ドクフン首相が金剛山観光地区を訪問して、設計や施工について協議をしたことがある」と明かした。
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