【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は19日に出した談話で、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が提案した北朝鮮の非核化措置に合わせて経済支援などを行う「大胆な構想」について、「愚かさの極致」とこきおろしたうえで「絶対に相手にしない」として、拒否する意思を明らかにした。 尹大統領は15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の演説で、北朝鮮の非核化措置に合わせ経済支援に加え、政治・軍事的な相応措置まで提供するという同構想を提案していた。 金与正氏は談話で同構想について、北朝鮮が非核化と開放を進めれば10年以内に1人当たり国民所得が3000ドル(約41万円)に達するよう支援するとした李明博(イ・ミョンバク)元大統領の政策「非核・開放3000」のコピーにすぎないと主張したうえで、「尹錫悦の『大胆な構想』は大洋を乾かし桑畑をつくるのと同じぐらい実現不可能」と断じた。 また、同構想の前提条件として北朝鮮の真摯(しんし)な非核化の意志を強調したことを強く批判。「『北が非核化措置を取れば』という仮定自体が間違った前提」として、「国体」の核は経済協力と取り引きできないと主張した。 続けて「きょうは大胆な構想云々し、あすは北侵戦争演習を強行する破廉恥な者が尹錫悦」とし、事前演習が行われている韓国と米国の合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」もけん制した。 尹大統領に対しては、「われわれは尹錫悦という人間自体が嫌だ」として、「お互い意識せず生きることが切なる願い」と肩書なしの呼び捨てで非難。「本当に大統領に当選させる人物が尹しかいなかったのか」「ただでさえ経済と国民生活が厳しく、いつ追い出されるか分からない」などと愚弄(ぐろう)した。 談話は朝鮮中央通信だけでなく、北朝鮮住民が接する朝鮮労働党機関紙「労働新聞」、朝鮮中央放送などでも報じられた。
Copyright 2022YONHAPNEWS. All rights reserved. 40