今回のライブはフルバンドの生演奏をバックに、韓国と日本でリリースした名曲を軽妙なトークを交えながら披露し、IAMとの楽しいひと時を過ごした。
2AM の最新ニュースまとめ
期待と緊張で静まりかえった会場に繊細なピアノの音色が響き渡ると、ステージに明かりが灯され「2AM」の姿が現れた。そして1曲目に披露したのは「Should’ve known(近くにいてわからなかった)」。この曲は2021年に7年ぶりに発表したミニアルバム「Ballad 21 F/W」のリード曲で、「2AM」の数々の名曲を生んだパン・シヒョクが作詞・作曲を手がけた曲。別れてから相手の愛に気づき後悔して悲しむ気持ちを切々と聴く者の心に訴えかけた。そして2曲目は好きな相手のためならすべてを捧げるという深い愛情を歌った「For you~君のためにできること~」。哀愁漂うメロディーに乗せて繊細で優美な歌声を届けた。
「日本のファンの皆さん、お久しぶりです!」とチョ・グォンの明るい声が会場に響くと、会場の雰囲気は一変、ほんわかとした空気に包み込まれた。日本のIAMと久しぶりに再会するということで、まずは日本語での自己紹介から始まった。ジヌンは少しためらいながらも「2AMのキラースマイル、末っ子ジヌンです」と紹介。すかさずチャンミンが「32歳の末っ子」と突っ込むと、会場からは笑いが漏れた。続けて「やんちゃなリーダー、チョ・グォンです」と明るく元気にあいさつしデビュー当時から変わらない初々しさをアピール。チャンミンは「2AMの三ツ星シェフ、チャンミンやで~」と紹介すると、「なんで僕だけ大阪弁なんだろ」と1人ツッコミ。気恥ずかしさが漂う中スロンは「僕はかわいい感じのあいさつじゃなくて良かった」とほっとするが、ジヌンに「それをかわいく表現してみてください」と無茶ぶりされ、「皆さんこんにちは、イケメンのっぽさん、スロンです!」と彼なりにかわいく表現し、その場をなんとか乗り切っていた。2011年に日本でデビューし、その頃からよく聞いた懐かしいあいさつに会場はほっこりムードに。チョ・グォンは「大阪から東京公演と続いて、皆さんにまたお会いできてとても嬉しいです。今日は最後まで2AMの“名品バラード”を楽しんでいただければと思います」と再会の喜びを伝えた。
そして日本でリリースした曲「電話に出ない君に」、「誰にも渡せないよ」を続けて披露すると、日本で活動していた頃のエピソードトークへ。チョ・グォンは「韓国でデビューしたときに街やコンビニで僕たちのデビュー曲が聞こえてきたように、日本でデビューしたときに渋谷や原宿でも僕たちの写真が入ったバスが走っていて電子看板にも“2AM”とあって気分が良かったです」と思い出を語る。チャンミンは「1stアルバムの時だったと思うんですけど、渋谷のTSUTAYAに僕たちの写真がかかっていたんです。なので見に行ったんですけど、どんなに探しても見つからなかったんです。そして見つけたのが、このくらい(A4サイズくらい)のが1枚壁に貼ってありました(笑)」とオチをつけて話し、会場を笑わせた。
楽しいトークで会場が温まると、その雰囲気のまま「Always Me」を披露。ここではメンバーがステージを行き交いながら歌い、音楽に合わせて左右に揺れるメンバーの手と客席のペンライトが大きく揺れ、青空が浮かぶような壮大さを感じさせるバンドサウンドに乗せて伸びやかな歌声を響かせた。明るい雰囲気の曲「Birthday」では煌びやかなメロディーと美しく優しい歌声で聴くものの耳を癒した。
「2AM」はバラードグループということで激しく踊りながら歌う楽曲は少ないが歌唱力で勝負をし、日本公演最終日ともあって、6曲目の時点ですでに汗だく状態。ジヌンが「この後、楽しく遊ぶパートがあるのですが、そのあとにこのくらいの汗をかくんです。なので今日は本当にたくさんの汗をかきそうです」と話す。するとスロンが「なので僕たちのために皆さんは息を少しだけ吸ってください(笑)」と笑顔を浮かべ、そのユーモアあふれる言葉に会場からはどっと笑いが巻き起こった。
ライブ中盤ではガールズグループのカバーやソロステージも披露。ガールズグループ「aespa」の「Next Level」、「IVE」の「ELEVEN」、「Brave Girls」の「Rollin’」、「OH MY GIRL」の「Dun Dun Dance」といったダンス曲をアコースティックバージョンにアレンジし、Brave Girlsの楽曲ではチョ・グォンがステージ前に出て本家さながらにダンスを披露して会場を盛り上げつつも、「2AM」ならではの美しいハーモニーで原曲とはひと味違った魅力を見せてくれた。
メンバーそれぞれの魅力を堪能できるソロステージでは、真っ白な衣装に身を包んだスロンが自身のソロ曲「夏、夜」をしっとりと披露。チョ・グォンはタイトな衣装に着替え、トロイ・シヴァンの「My My My!」を神秘的かつ艶(なま)めかしいパフォーマンスで会場を沸かせた。チャンミンは自身がプロデュースした「宇宙少女CHOCOME」の「Super Yuppers!」をロック調にアレンジ。ロッカーとなって力強い歌声を響かせると、途中でジャケットを投げ捨て鍛え上げられた筋肉をアピールしながら熱唱した。会場が熱気に包まれる中ノイジーなサウンドが響くと、ギターを持ったジヌンが登場。自身のソロ曲「Tricky」と「Will」をアレンジして披露し、会場にシビれるギターサウンドを轟かせた。エネルギッシュなステージで雰囲気を盛り上げると、ラフで爽やかな雰囲気の衣装に着替えて4人が登場。観客を立ち上がらせパワフルなダンス曲「With Or Without U」や「I did wrong(悪かった)」をジャンプしながら歌い、会場を大いに盛り上げた。
ライブ終盤では「2AM」の歌声をじっくり堪能できるセットリストでファンをさらに引きつける。2009年に発表した懐かしの名曲「 Confession of a friend(友達の告白)」を儚くも力強い歌声で歌い、続けて2021年リリースの「Can’t Sleep(眠れない)」では過去の恋を忘れられず眠ることができない切なさを歌に乗せた。
最後は1曲目に歌った曲とダブルリード曲でありJ.Y. Park作詞・作曲の「No good in good-bye(サヨナラなんて)」。「君を置いてその場を去ることができようか…」と、ライブが終わってほしくないという4人の気持ちを代弁するように情感豊かに歌い上げ、ライブ本編の幕を閉じた。
アンコールを求める拍手が鳴り響くと、ステージに戻ってきた4人は「愛の歌がRadioから」を情感たっぷりに歌い、「Never let you go ~ 死んでも離さない~」を日本語で披露。ここではファンが「待っていました」と書かれたプラカードを掲げるサプライズが起こり、メンバーを感動させる場面もあった。
そして最後は1人ずつライブの感想が伝えられた。
ジヌンは「会いたいときにすぐに会えていたのが、コロナのせいで長い間会えませんでした。でも、日本のIAMが待っていてくれているということがとても感動的でした。お互いに待つ時間なくしょっちゅう会える日がくればと思います。今日は楽しい時間をありがとうございました」と深く一礼。
チョ・グォンは「本当に幸せでした。皆さんが持っているカードの『待っていました』という言葉が心にきました。公演のために飲みたいお酒も飲まず、公演が終わるまではいつも緊張していました。最初から最後まで心を込めて歌いました。その気持ちが皆さん一人ひとりの心に1曲でも感動として残ってくれれば良いなと思います。日本でまた必ず会えればと思います」。
スロンは「大阪から東京まで3回の公演をしながら、10年前の姿が目の前に広がっている気がして、感情が幸せでもあり悲しみもあり、複合的な感情で歌っていた気がします。時間が過ぎていろんなことが変わりましたが、みなさんが見つめてくれている瞳は変わることなく同じだなと思いました。その皆さんからのエネルギーで僕たちは歌を一生懸命歌うことができます。これからも見つめていただき、僕たちはもっと頑張りたいと思います」と伝えた。
チャンミンは日本語で「(会えるまで)予想より長かったですね。僕も皆さんと一緒に6、7年間待っていたんです。僕が一人でも日本や韓国で活動すれば、2AMが復活できるんじゃないかなと思う瞬間もあったんです。昼公演でも言いましたが、神様は乗り越えられる試練しか与えないとありますが、その試練が今日になって全部終わったんじゃないかなと思いました。これからの思い出は僕たちが作っていきます。皆さんの応援と愛情が必要になってきます。これからも一生懸命、命をかけて歌いますので、応援よろしくお願いします」と力強く伝えた。
全員のあいさつが終わると、ラストは2008年のデビュー曲「この歌(This Song)」。「相手にあげられるものはこの歌、この歌声しかない」と、切実に、熱く、聴く者の心に訴えかけ、バラードグループの真髄を見せてくれた。曲が終わると会場は大きな拍手に包まれ、メンバーは名残惜しそうにしながらステージを降りていった。
約2時間に渡って22曲の楽曲を披露したライブは、「2AM」を誕生させたJ.Y. Parkとパン・シヒョクへのリスペクトを感じさせ、そしてIAMと共に懐かしい記憶をたどって思い出に浸れるようなセットリストになっていて、充実感に満ちた最高のライブだった。
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