【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が米国の戦略兵器展開などに反発して挑発行為を続けており、朝鮮半島の緊張が高まっている。韓米と北朝鮮の対立が激化する様相を呈しており、北朝鮮が7回目の核実験に踏み切る可能性があるとの見方が出ている。 北朝鮮は米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」(10万3000トン)が合同訓練を終えて朝鮮半島を離れた4日、「火星12」と推定される中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射したのに続き、6日も弾道ミサイル2発を発射した。今年に入って22回目の発射となる。中距離ミサイルは日本の上空を通過し約4500キロを飛行。米ホワイトハウスはグアムを攻撃できるこのミサイルを「長距離」とし、以前より脅威的なものとして認識していることをうかがわせた。 北朝鮮はロナルド・レーガンの展開に強く反発している。北朝鮮の外務省は6日、「米国が朝鮮半島水域に空母打撃集団を再び送り込んで朝鮮半島と周辺地域の情勢安定に重大な脅威を生じさせていることを注視している」とする公報文を発表した。 韓米日の安全保障協力強化もけん制している。韓米日は先月、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に対応する対潜水艦戦訓練を実施し、今月6日には東海上でロナルド・レーガンが参加する合同訓練を行う予定だ。 専門家らは北朝鮮が挑発のレベルを高める可能性が高く、結局は7回目となる核実験に踏み切るとの見通しを示している。北朝鮮の金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は6月、「国権守護においては一歩も譲歩しないわが党の強対強、正面勝負の原則」を改めて示し、先月には核武力政策に関する法令を採択し先制的な核使用を示唆した。韓国大統領室の高官も今月5日、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射について記者団に「7回目の核実験の可能性を高めるための段階別シナリオではないかと判断している」との認識を示した。また、「ミサイル関連プラットフォームが変わっている」と言及し、ミサイルの性能改良が進められていることを示唆した。 北朝鮮の核実験の時期を巡っては、中国共産党の党大会が始まる16日から米中間選挙が行われる11月7日までの間との分析が出ている。習近平国家主席が3期目に入って中国の体制が安定し、米国が国内政治に集中する時期を狙う可能性が高いという。 こうした中、国際社会の制裁は北朝鮮の挑発行為をやめさせる役割を果たせていない。国連安全保障理事会は北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射を受け、6日午前(日本時間)に緊急会合を開いたが、一致した声明や決議の採択はできなかった。会合後に欧米の安保理理事国と韓国、日本は北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難する共同声明を発表した。 一方、中国とロシアは北朝鮮のミサイル発射には米国の責任もあるとして北朝鮮をかばうような姿勢を示し、韓米日と北朝鮮・中ロの対立が一層鮮明になる形となった。 北朝鮮が挑発のレベルを高めれば、韓米日の連携はさらに強化されるとみられる。専門家らは米国のB1B戦略爆撃機などの朝鮮半島展開とともに韓米日合同訓練の頻度と水準が高まるとの見通しを示している。
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