【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮の軍用機約10機が13日午後10時半ごろから14日午前0時20分ごろにかけ、韓国軍が有事に備えて北朝鮮上空に設置している「戦術措置線」より南の空域を威嚇飛行した。北朝鮮は続いて午前1時49分ごろ、平壌・順安付近から朝鮮半島東の東海へ短距離弾道ミサイル(SRBM)1発を発射した。深夜、続けざまに挑発に踏み切ったが、北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部は午前2時17分ごろ、朝鮮中央通信を通じた報道官発表で、こうした挑発の責任を韓国に転嫁した。 北朝鮮の軍用機は戦術措置線の南、2018年9月の南北軍事合意に基づき設定された西部内陸地域の飛行禁止区域の北5キロ(軍事境界線の北25キロ)付近と、東部内陸地域の飛行禁止区域の北7キロ(軍事境界線の北47キロ)まで接近した。これら飛行禁止区域の5~7キロまで迫って飛行するのは南北軍事合意採択後では初めて。 黄海地域では黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)の北12キロに接近した後、北上した。 韓国軍は最新鋭ステルス戦闘機のF35Aを含めた航空機を緊急出動させた。合同参謀本部は「北軍用機の飛行に、相応の対応機動を実施した。さらに支援戦力と防空砲隊戦力により万全の即応態勢を維持した」と説明。また「わが軍は韓米間の緊密連携の下、北の軍の関連動向を鋭意注視しながら挑発への確固たる備えを維持している」と強調した。 北朝鮮軍用機の威嚇飛行は、南北軍事合意の基本精神に真っ向から反するものとも指摘される。韓国軍当局は北朝鮮の意図の分析に当たっている。 北朝鮮がその後に発射したミサイルについても、韓国軍当局が詳細を分析中だ。合同参謀本部は監視・警戒を強化しながら米国と緊密に連携していると述べた。日本政府は、ミサイルの最高高度は50キロで、約650キロ飛行したとの見方を示した。 北朝鮮はミサイル発射後まもなく、軍総参謀部の報道官発表として「10月13日にわが軍第5軍団前方地域で南朝鮮(韓国)軍が約10時間にわたって砲撃を敢行した」と主張。「われわれは南朝鮮軍部の挑発的行動を重くみて、強力な対応軍事行動措置を取った」とした。 北朝鮮は今年に入り、弾道ミサイルを24回、巡航ミサイルを3回発射した。5月に韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足してからのミサイル発射は13回に上る。 先月25日から今月9日までに計7回、弾道ミサイル発射を繰り返した。北朝鮮メディアによると、ミサイル発射は「戦術核運用部隊」の訓練で、金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が現地指導した。同氏は今月12日にも戦術核運用部隊による長距離戦略巡航ミサイルの試射を現地指導したという。
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