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ソウル市は今月17日、世論調査会社のグローバルリサーチに依頼して行った調査の結果を発表した。それによると、ソウル市の夏季五輪招致に72.8%が賛成した。年代別では30代が75.5%と最も高かったという。賛成の理由では「外国人観光客の来韓による活性化」が81.4%で最も多く、「スポーツインフラの改善」（80.7%）、「ソウル市のブランド価値向上」（80.5%）と続いた。
一方、懸念することを尋ねると、「多額の赤字による経済的損失」が43.8%に上った。大会終了後の競技場の活用（23.7%）や交通渋滞（23.0%）といった指摘も挙った。調査は先月20～25日にかけて、市内在住の成人1000人を対象に行われた。
実際に五輪の開催費用は膨らんでいるが、市は既存の施設を活用することで、コストを最小限に抑えることができるとしている。市の分析によると、五輪28種目のうち、競技場の新設または民間施設の活用が必要な競技は6種目（テコンドー、ボクシング、レスリング、柔道、卓球、バドミントン）で、これらの競技を行うために2施設が必要となるという。また、選手村には住宅再開発事業を活用すれば、コストを抑えることが可能だと説明している。
市の関係者は「施設の過剰投資が、五輪赤字の最大の要因として挙げられるが、ソウルは（近郊の）キョンギド（京畿道）やインチョン（仁川）にある施設まで活用すれば不足がない状況」と強調した。
ソウル市では1988年に韓国として初の五輪を開催している。2036年五輪の招致に成功すれば48年ぶり2回目の開催となる。
ソウル市はこれまで2032年夏季五輪の開催を目指してきた。パク・ウォンスン（朴元淳）前市長時代に、北朝鮮の平壌との共催を掲げた。当時のムン・ジェイン（文在寅）大統領は2018年9月に北朝鮮のキム・ジョンウン（金正恩）総書記と行った南北首脳会談で五輪招致を合意。しかし、翌2019年2月の米朝首脳会談が決裂し、南北関係が再び悪化して以降、南北間で五輪関連の協議は滞った。
だが、ソウル市は昨年4月、「Beyond the Line,Toward the Future（境界と限界を越えて未来に向かって進む）」をビジョンに掲げる南北共同招致の提案書をIOCに提出。「南北が連結され、和合して平和を成し遂げるオリンピック」、「先端技術とKカルチャーを通じて世界が共有するオリンピック」など、5つのコンセプトを提案書で紹介した。しかし、この提案書は平壌市と共同で作成して提出されたものでもなければ、平壌市の委任を受けて出されたものでもなく、ソウル市の南北共催は説得力に欠けるものだった。
国際オリンピック委員会（IOC）は開催地を原則7年前に決定する規定を長く設けてきたが、2019年に撤廃。開催に興味を示す都市と個別に対話をし、有力都市を早めに確保する仕組みに改めた。
結局、2032年夏季五輪は昨年7月、オーストラリア東部のブリスベンで開催されることが正式に決定した。
ソウル市は2036年五輪の誘致を目指すことを決め、呉市長は世界オリンピック都市連合年次会議の出席で訪問したスイス・ローザンヌでIOCのバッハ会長と面会。呉氏は「2036年五輪招致に向けたソウル市の意志は非常に強い。1988年ソウル五輪からおよそ50年を経て再び五輪を開催することになれば、この上ない相乗効果が期待できる」と訴えた。これに対しバッハ氏は「ソウル市が都市計画分野で長期的なビジョンを持っており、そのビジョンにおいてスポーツの役割を重視していることから、準備のできた都市だという印象を受けた」と応じたとされる。
2036年大会をめぐっては、エジプトがアフリカとアラブ諸国で初の五輪開催を目指して招致に乗り出すと明らかにしている。そのほかドイツやメキシコ、ロシア、インド、カタールなどが関心を示しているとされる。今後、厳しい招致競争が本格化しそうだ。
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