文前大統領と豊山犬(資料写真)=(聯合ニュース)
文前大統領と豊山犬(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」は8日、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)から贈られて飼っていた犬を政府に返還する意向を示したことを巡って攻防を繰り広げた。 文前大統領は2018年9月の南北首脳会談後、正恩氏から北朝鮮で天然記念物に指定されている豊山犬雌雄各1匹を贈られた。退任後は子犬を含めて3匹を引き取ったが、先ごろ国に返還するための協議を政府に要請したと伝えられた。 与党側は金銭的な負担から犬を手放すことにしたのではないかと文前大統領側を激しく非難し、野党側は法令の不備でやむを得ないとして現政権の責任を追及した。 国民の力の趙恩禧(チョ・ウンヒ)国会議員は大統領室に対する国会運営委員会の国政監査で、北朝鮮から贈られた豊山犬のイメージだけを利用し、不要になったから捨てようとしているのではないかという指摘もあると批判した。 同党の朴大出(パク・デチュル)議員はSNS(交流サイト)で、政府が飼育費用を支援することに反対の意見を示し、「ペットの世話をする人の月給まで支払うのは国民感情として容認できない」と強調した。 一方、文在寅前政権で青瓦台(大統領府)政務首席秘書官を務めた崔宰誠(チェ・ジェソン)前「共に民主党」議員はラジオ番組で、大統領への全ての贈り物は国の所有であり、委託や管理に関する規定が存在しないために現政権と協議していたが打ち切られたと反論。文前大統領が豊山犬を引き続き飼うためには施行令の制定が必要だと指摘した。 青瓦台儀典秘書官を務めた卓賢民(タク・ヒョンミン)氏はSNSで「新大統領に頼まれ、関連官庁が根拠を設けると言ったので(豊山犬の)委託を承諾した」として、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と現政府が約束を守らなかったと主張した。
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