韓国大統領室の金泰孝・国家安保室第1次長(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国大統領室の金泰孝・国家安保室第1次長(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長は21日、統一部が開催したセミナーで、北朝鮮の非核化措置に合わせて経済支援などを行うという尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「大胆な構想」について、北朝鮮との対話が実現するまで「抑止」と核開発の「断念」を推進していく考えを示した。 金氏は大胆な構想には北朝鮮を対話に引き出す方法として核抑止、核開発の断念、対話という三つの行動原則が盛り込まれていると説明。「この三つが始めから共に進められると良いが、うまく行かない場合は対話が実現するまで抑止と断念を推進していかなければならない」として、「北が核開発をしても役に立たないと判断するよう、国際連携と北への圧力を継続する必要がある」と述べた。そのうえで、「核があっても使用できないようにする抑止にならなければならない」と強調した。 北朝鮮が9月に核を先制攻撃に使用する条件を定めた核武力政策の法制化を発表したことに関しては、「北の核が米国、日本だけでなく、韓国と韓国の国民を狙っていることを直接的に示したもの」とし、「核ミサイル(の発射)兆候があるとき、事前措置を取る準備をしなければならない」と述べた。そのうえで、「(北朝鮮から)ミサイルが発射されると探知して迎撃できるキルチェーンを強化しなければならない」とし、「核挑発を辞さない場合、大量報復を通じて核攻撃が北の政権の終末につながるという韓米の合意を実践できるようにすべきだ」と強調した。 また「北が素直に核の廃棄を決め、非核化対話を始めようとする公算は大きくない」との見通しを表明。北朝鮮は核保有を既成事実化して米朝対話を要求するか、包括的な非核化ではなく核開発の一部だけを停止して南北経済協力を求める可能性もあるとの見方を示した。 北朝鮮が核開発を進める理由としては政権を守るためという面もあるが、核の脅威で韓国を分裂させる目的もあると分析した。 セミナーに出席した国立外交院の田奉根(チョン・ボングン)教授は「金正恩(キム・ジョンウン)が米国の究極的な対北政策は(北朝鮮の)政権崩壊と信じている状況で今後、南北対話や北米(米朝)対話、核交渉に応じる可能性はほぼない」として、大胆な構想の実現のための環境づくりが重要だと指摘した。
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