<W解説>サッカーW杯、韓国は初戦スコアレスドロー、国内メディアは結果をどう伝えた?(画像提供:wowkorea)
<W解説>サッカーW杯、韓国は初戦スコアレスドロー、国内メディアは結果をどう伝えた?(画像提供:wowkorea)
FIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップカタール2022のグループH第1戦、韓国代表対ウルグアイ代表の試合が24日に行われ、0-0で引き分けた。12年ぶりの決勝トーナメント進出を狙う韓国は、攻撃でエースのソン・フンミン(孫興民)が相手の堅守を崩せなかったほか、絶好機でファン・ウィジョ(黄義助)がシュートを外すなど、1点が遠かった。両チーム合わせて16本のシュートを放ったが、枠内シュートはゼロ。これについて海外メディアは「今世紀のW杯では初」と珍記録を伝えている。

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 韓国メディアは初戦の結果に「善戦した」と肯定的に伝えるメディアがある一方、「物足りない」と総括したメディアもあった。ハンギョレ新聞は「11人が一丸となって戦った。意地と根気の間で一貫して推し進めたサッカー哲学は、4年間の信頼で鍛えられ、貴重な勝ち点1として返ってきた」と評価した。一方、東亜日報は「12年ぶりの16強進出を狙う韓国代表にとって、初戦で勝利して勝ち点3を得ることが切実だったが、勝ち点1を手にするだけにとどまった」とした上で、前日に日本がドイツ相手に挙げた大金星を引き合いに「日本代表が22%しかないボール支配率で強豪ドイツを2-1で破るというサッカーを見せたという点からすれば、この日の試合は物足りなさを感じた」と伝えた。

 韓国は1986年のメキシコ大会から今大会まで10大会連続の出場で、アジア勢では最多を誇る。昨季にイングランド・プレミアリーグでアジア人として初の得点王に輝いたエースFWソン・フンミンや、欧州のビッグリーグでもトップレベルのセンターバックとして注目されるDFキム・ミンジェら、世界が注目するトッププレイヤーを擁する。

 「アジア最強」を自負する韓国だが、1次リーグを突破したのは、アジアの国として過去最高の4位になった2002年の日韓共催大会と、ベスト16入りした2010年の南アフリカ大会の2回のみ。直近の2大会では1次リーグで敗退した。FIFAの世界ランキングは28位。

 初戦の前日に、ライバルの日本が強豪ドイツを2-1で破るという大金星を挙げたことから、韓国もこれに続けとばかりに、勝利に一層期待が高まった。韓国メディアのOSENは日本の勝利に加え、サウジアラビアが強豪アルゼンチンに勝利したとしてアジア勢の躍進ぶりに着目。「そのバトンは韓国が引き継ぐ。韓国も大規模応援団の力が切実に必要な時だ」と呼び掛けた。

 サッカー人気が高い韓国では、4年に一度の祭典ということで毎回、応援が熱を帯びるが、先月29日にソウルの繁華街・イテウォン(梨泰院)で起きた雑踏事故を受けて、応援をめぐり意見が分かれた。事故から3週間余りしか経っていない中、お祭りムード的な街頭応援を認めることは不適切だとの声が上がり、大韓サッカー協会は街頭応援の中止を決めた。同協会は「国民感情に合わないと判断した」としている。一方、韓国のサポーター団体「赤い悪魔」は街頭応援を行うため、ソウル市に対し、市内にあるクァンファムン(光化門)広場の使用許可を申請した。「赤い悪魔」は「梨泰院の惨事を追慕する雰囲気を考慮して内部でとても悩んだ」とした上で「韓国サッカーが再び前進することができるよう、『赤い悪魔』が最後まで共にする」とした。審議の末、ソウル市や広場があるソウル市チョンノ区は、「赤い悪魔」が提出した安全計画書を承認。最終的に街頭応援を許可した。

 広場は事故防止のため、厳重な警備態勢が敷かれた。警察とソウル市、「赤い悪魔」が安全管理のために配置した人数は約1400人に上った。応援のため、この日広場を訪れた市民は約2万6000人だった。試合開始前と終了後はスタッフらが観客を一方向に誘導して流れをつくり、応援中も節度ある行動を呼びかけた。懸念された事故はなかった。

 テレビの前でも、多くの国民がエールを届けた。視聴率調査会社のニールセンコリアの集計によると、KBS、MBC、SBSの地上波3社が中継した同試合の視聴率の合計は41.7%だった。

 試合は両国代表ともに好機を生かせず、スコアレスドローに終わった。H組の属する韓国は、この後、ガーナ、ポルトガルと対戦する。第2戦ガーナ戦は28日に行われる。23日の日本対ドイツ戦の結果を予想し、スコアまで的中させ話題になっている英BBCのクリス・サットン氏はガーナ戦を韓国勝利と予想した。サットン氏は「激しいH組でガーナに勝ってこそ16強に進めることを韓国は良く知っているはず。ウルグアイ戦と似た流れの攻防戦の中で、韓国が1-0で勝利すると予想する」と語った。

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