白馬に乗って記念撮影に臨む金正恩氏(中央、朝鮮中央テレビより)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
白馬に乗って記念撮影に臨む金正恩氏(中央、朝鮮中央テレビより)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が今年行ったミサイル発射にかかった費用で、全住民が46日間食べられるコメを購入できることが19日、分かった。韓国政府関係者が明らかにした。 一方で、北東部の咸鏡道では食糧不足による餓死者が続出したことが確認された。 政府関係者によると北朝鮮は昨年、金正恩(キム・ジョンウン)政権発足後で最悪となる食糧難に陥った。増産に力を入れたものの、気象悪化と肥料不足で今年の収穫量(451万トン)は前年より18万トン減少したという。 例年と同程度の穀物を輸入するとしても、来年も80万トン程度が不足すると推計された。 咸鏡道は北朝鮮内でも経済的に立ち遅れた地域。新型コロナウイルス感染拡大により封鎖が強化されたことで中央から遠い地域の食糧事情が特に悪化したものとみられる。 韓国の農村振興庁の発表によると、今年の北朝鮮の食糧作物生産量は昨年より18万トン減少した451万トンだった。 食糧難が深刻な状況であるにもかかわらず、今年のミサイル挑発には莫大(ばくだい)な費用が投じられた。 政府関係者は「北は今年ミサイル71発を発射し、西側より生産費用が低い北の生産単価を適用しても約2600億ウォン(約270億円)を浪費したと推計される」と説明した。 特に高コストの大陸間弾道ミサイル(ICBM)8発の発射だけで1430億ウォンを使い、短距離弾道ミサイル(SRBM)43発の発射にも500億ウォンを使ったと試算された。 ミサイル発射の総費用はコメ50万トンを購入できる額で、これは北朝鮮のすべての住民が46日分をまかなえる量。また来年の北朝鮮の食糧不足分(約80万トン)の60%以上を補うことができる規模と政府関係者は説明した。 北朝鮮はロシアとの貿易が再開されてから、生活必需品ではなく、最高指導者の一族が使用する「白馬」を真っ先に輸入していたことも分かった。 11月初めに北朝鮮とロシアを結ぶ列車が約2年ぶりに運行を再開した際、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(党総書記)の一族や高官が乗る馬数十頭が搬入されたという。 金正恩氏は2019年10月に中朝境界にある朝鮮半島最高峰の白頭山に登った際や、今年4月の朝鮮人民革命軍(抗日遊撃隊)創建90年記念の閲兵式(軍事パレード)参加者との記念撮影でも白馬に乗った姿を公開した。 金正恩氏は「人民大衆第一主義」を強調しているものの、実際には住民を犠牲にして大量破壊兵器の開発に全力を投じているとの指摘も出ている。
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