キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
北朝鮮は18日、午前11時11分ごろと午前11時52分ごろ、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル計2発を東の方向へ発射した。いずれも最高高度は550キロ程度、飛行距離は約500キロで、通常の軌道で飛行したと推定される。北朝鮮によるミサイル発射は今年35回目。聯合によると、固体エンジンを適用した新型の準中距離弾道ミサイル(MRBM)の発射実験を行った可能性があるという。北朝鮮は15日に北西部のトンチャンリ(東倉里)の衛星発射場で高出力の固体燃料エンジンの地上燃焼実験を行っていた。
韓国軍合同参謀本部は「韓米は北の弾道ミサイル発射直後に会議を開いて状況を緊密に共有し、北のいかなる脅威と挑発にも対応できるよう、連合防衛体制を一層強固することを確認した」と説明した。
発射を受け韓国の大統領室は同日、キム・ソンハン国家安保室長主宰による国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開いたと明らかにした。NSC常任委員は、弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に反するもので、朝鮮半島の緊張を高めて域内の平和と安定を脅かす重大な挑発だと強く批判した。大統領室のイ・ジェミョン(李宰明)副報道官は「住民の苦痛を気にせずミサイル発射を続けるキム・ジョンウン(金正恩)政権を慨嘆した」と述べた。NSCでは、北朝鮮に対し、相応の代償を払うことになると警告した上で、強固な韓米同盟に基づいて、北朝鮮の挑発から国民を守り、韓米日の安全保障協力も引き続き強化することを確認した。
この1年を振り返ってみると、北朝鮮はこれまでにないレベルで軍事挑発を繰り返した。金総書記は年明け早々、核・大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射のモラトリアム(一時停止)を破ることを示唆。2018年4月に自発的に行った核実験場の閉鎖と核実験・ICBM発射実験の中止から4年4か月ぶりとなる3月24日、ICBMの発射に踏み切った。
韓国では5月にユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が就任。尹氏は北朝鮮の非核化措置に合わせて経済支援などを行うとした韓国政府の対北非核化ロードマップ「大胆な構想」を発表するも、北朝鮮は激しく反発し、「愚かさの極致」とこき下ろした。
9月末から11月中旬にかけては、連日にわたり弾道ミサイルやロケット砲を発射したほか、多くの戦闘機を出撃させて威嚇した。北朝鮮が今年これまでに行った弾道ミサイルの発射数は過去最多の64発に上る。今後、2017年9月以来、7回目の核実験に踏み切る可能性もあり、緊張が高まっている。今年5月ごろに北東部のプンゲリ(豊渓里)の核実験場の復旧作業が終わったとみられ、米韓当局は、金総書記が決断すればいつでも核実験が可能な状態になるとみている。
国連総会は今月15日に日本人拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害を非難する決議を採択。また日本政府は16日、国家安全保障戦略(NSS)など安全保障関連3文書を閣議決定した。NSSは安保環境が「戦後最も厳しい」とし、相手の領域内を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」との名称で保有すると明記した。18日の北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射はこれらの動きに反発したとみられ、在日米軍基地や日本を標的に想定した可能性もある。
韓国・北韓(北朝鮮)大学院大学のヤン・ムジン総長は聯合ニュースの取材に「今年は朝鮮半島でさまざまな情勢の変化や転換点があり、南北間、朝米間の対立・対決の構図が続いて朝鮮半島の緊張が高まった」と総括。その上で、来年以降について「南北、朝米間の不信の溝が深いことに加え、実質的に敵対関係が続いており、局面を展開するのは容易ではないだろう」と展望した。
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