イ・ジョンフ の最新ニュースまとめ
韓国紙のハンギョレ新聞は「今年1月の1.25%から11月には3.25%に跳ね上がった基準金利が、来年の消費、投資、雇用など、実体経済全般を締め付ける圧力としてはたらくものとみられる」と伝えた。
世界的な景気低迷が長期化の兆しを見せる中、雇用面では既に韓国内において、業績不振にあえぐ企業が人員削減や経費節減に乗り出す動きがみられる。聯合ニュースによると、リストラの嵐は流通業界や金融業界で吹き荒れているという。ロッテ免税店は新型コロナウイルスによるビジネス環境の変化に対応するため、創業以来初めて、希望退職者を募っている。家電量販店のロッテハイマートは、家電市場の低迷に伴う業績不振を改善できず、最近、2020年に続いて再び希望退職者の募集を始めたという。LG電子の家電製品を販売するハイプラザも、希望退職を募った。
金融業界ではハイ投資証券とダオル投資証券が希望退職者を募ったほか、ウリ銀行やNH農協銀行、水協銀行も退職者を募集済みまたは募集中だ。聯合ニュースは「銀行大手5社(KB、新韓、ハナ、ウリ、NH農協)だけで今年およそ2400人が希望退職という形で職場を去る見通しだ」と伝えている。経済団体の全国経済人連合会のキム・ヨンチュン雇用政策チーム長は聯合の取材に「今年は景気が非常に良くなかったため、企業の生き残りが話題になるほどだった。採用以前に、今いる社員も減らさなければならない状況だ」と話した。
さらにキム氏は「来年は過去最大級の『雇用寒波』が到来する可能性がある」と予測。一部の業種で倒産の連鎖が起きる兆しがあり、これによって失業者が大量に出て、雇用市場が悪化する恐れがあるとの見方を示した。
採用活動でも、来年の不況を懸念して計画を見直す動きがみられる。ある就職情報サイトの調査では、「今年より採用を増やす」と回答した企業は10.3%にとどまり、採用人数が「計画より少なくなる」(31.1%)と「採用の予定がない」(18.4%)の回答を合わせると約半数に達した。
内需消費も既に冷え込む兆しが如実に現れている。新世界デパートの先月の売上高は、昨年同月比1.3%、今年10月比10.5%減となった。百貨店業界の関係者はハンギョレ新聞の取材に、「11月は例年より気温が高めだったため、高価な冬服があまり売れなかった上、金利引き上げ、住宅取引の激減などで消費心理も凍り付いた。流通業界は、昨年まではコロナ禍の反動利益のおかげで類を見ない好況を享受したが、今は非常事態になった状況」と話した。
サービス業も打撃を受けており、今年第3四半期(7~9月)に前期比7.7%増えた韓国内の宿泊・飲食業は、10月に入って減少に転じた。
こうした状況から、主要機関による韓国の例年の成長率見通しは軒並み厳しい数字が並んでいる。国際通貨基金(IMF)は10月、韓国の来年度の成長率見通しを2%とした。これに続き、経済協力開発機構(OECD)は先月、1.8%、アジア開発銀行は今月、1.5%とそれぞれ見通した。1%台の成長率は新型コロナの流行が始まった2020年(マイナス0.7%)を除くと、金融危機当時の2009年(マイナス0.8%)以降、最も低い。
ハンギョレ新聞は「最大のヤマ場は来年上半期だ」と分析。上半期に高物価と高金利の余波が一緒に押し寄せる、実体経済の「極寒」を予測した。
一方、中央日報は今月8日、韓国経済学会会長で、コリョ(高麗)大学経済学科教授のイ・ジョンファ氏の寄稿を掲載した。イ氏は「韓国経済は暴風雨の中で航海する船のようだ。危機が波のように押し寄せている。船がどこへ行くのかも不確実だ」としながらも、「2009年の金融危機や2020年のコロナ禍のように厳しい不況にはならないだろう」と予測。「ウクライナ戦争の終息、FRB(連邦準備制度理事会)の緊縮中断、中国の景気活性化措置で世界経済の回復が早まるかもしれない」と展望した。
その上でイ氏は「来年には政府、企業、家計のいずれも、迫りくる危機に備えなければならない」と強調。「来年にはすべての国民が経済危機を上手く乗り越え、政府の改革が成果を出し、韓国社会に希望が溢れることを期待する」と結んだ。
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