18年5月、北西部の京畿道坡州市の民間人統制区域で拡声器設備を撤去する兵士たち=(聯合ニュース)
18年5月、北西部の京畿道坡州市の民間人統制区域で拡声器設備を撤去する兵士たち=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が北朝鮮の無人機侵入などを受けて南北軍事合意の効力を停止させる場合、軍事境界線付近で拡声器を使った北朝鮮向けの宣伝放送を再開できるかについて法的な検討に着手する中、韓国軍合同参謀本部の関係者は6日、「対応態勢の観点で普段から(放送再開の)準備を整えていた」と明らかにした。 韓国は文在寅(ムン・ジェイン)前大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が2018年4月に署名した「板門店宣言」を受け、同年5月から軍事境界線付近の約10カ所に設置されていた固定式と移動式の拡声器約40台を撤去していた。 撤去された拡声器は解体されたまま保管されている。韓国軍は政府の指針が決まり次第、いつでも放送を再開できるよう点検しているという。 拡声器は高出力のスピーカーを利用し、韓国の歌や北朝鮮問題を含むニュース、気象情報などを北朝鮮に向けて流す放送設備だ。夜の時間帯には放送を聴取できる距離が20キロ以上に達する。軍事境界線近くの北朝鮮軍部隊の兵士や住民が放送の内容を聞けるため、北朝鮮の政権としては「威力的な心理戦道具」と認識していた。軍と住民を動揺させる効果があるため、北朝鮮は放送に強く反発し、南北対話などで中止を求めてきた。北朝鮮も対抗措置として韓国向けの放送設備を設置したが、出力が低く電気の供給が不安定だったため効果は挙げられなかった。 現行の南北関係発展に関する法律では軍事境界線付近での北朝鮮向け宣伝放送や電光板掲示などを禁止している。だが、軍事合意の効力が停止すれば放送が再開できるとの見方があり、統一部が法的な検討に着手している。
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