キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
軍事パレードは8日夜、首都・ピョンヤン(平壌)中心部のキム・イルソン(金日成)広場で行われた。パレードではICBMや戦術核兵器、長距離巡航ミサイルの運用部隊などが登場した。米宇宙技術企業のマクサー・テクノロジーズが8日午後10時過ぎに撮影したとして9日に公開した衛星写真では、北朝鮮が保有する最大のミサイルで、昨年11月に発射されたICBM「火星17」を先頭に、中長距離級ミサイルを搭載した移動式発射台(TEL)が2列縦隊で続いているのがわかる。韓国の通信社・聯合ニュースは「一般的には北朝鮮は閲兵式(軍事パレード)で、威力が強い、あるいは新型の兵器を後に登場させる」と指摘した。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は聯合の取材に「火星17の後に登場したということは、より強力という意味かもしれない」とし、北朝鮮が昨年12月に実験した固体燃料エンジンを用いた新型ミサイルの可能性もあるとの見方を示した。
北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、軍事パレードを伝える記事の中で「金正恩同志が愛するお子様、(夫人の)リ・ソルジュ(李雪主)女史とともに広場に到着された」と報じた。同通信が公開した写真からは、黒い帽子にコート姿のジュエ氏が正恩氏の手を握り、レッドカーペットの上を歩いて会場に入る様子が確認できる。
ジュエ氏とみられる少女は昨年11月、北朝鮮がICBMを発射した際に初めて確認された。ジュエ氏が金総書記に同行する様子を撮影した写真を北朝鮮メディアが公開。「『愛するお子様』が同行した」と伝えた。北朝鮮のメディアが金総書記の子供を公式に報じたのはこの時が初めてだった。
金総書記と李雪主夫人の間には3人の子供がいるとされ、第1子は2010年に誕生した男の子、第2子は2013年に生まれた女の子、第3子は性別不明だが2017年に誕生したとされる。第2子がジュエ氏とみられている。
ジュエ氏は、昨年11月のICBM発射、同月のICBM開発関係者との記念撮影に続き、今月7日の朝鮮人民軍創設75周年の宴会、8日の軍事パレードと2日連続で登場。韓国では、メディアや専門家から、ジュエ氏が金総書記の後継者ではないかとの見方が出始めている。
聯合ニュースは、昨年11月にジュエ氏が初めて姿を見せた際、北朝鮮の朝鮮中央通信は「(正恩氏が)愛するお子様」、2回目は「尊いお子様」としていたが、今月7日の宴会に関する報道では、「『尊敬する』という表現を用いて地位が高まったことを示した」と指摘した。また、ソガン(西江)大学のキム・ヨンス(金英秀)名誉教授は、韓国紙の中央日報の取材に「キム・ジュエの登場は、(金氏一家を表す)ペクトゥ(白頭)血統を中心に、北の絶対統治権力は今後も続いていくことを示している」との見方を示した。
軍事パレード自体が北朝鮮の後継構図と無関係ではないとの見方もある。金総書記は2010年の朝鮮労働党の創建65年を記念する軍事パレードに登場し、後継者の地位を公式化した。また、金総書記の父、故キム・ジョンイル(金正日)元総書記も1992年の北朝鮮軍創建60年を記念する軍事パレードで後継者として公式登場した。
一方、韓国政府の安保関連の省庁の関係者は、聯合ニュースの取材に「わずか10歳ほどのキム・ジュエ氏を後継者とするには早すぎる。金総書記が軍関連の行事にジュエ氏を連れ出すのは、軍部に対し『後の代まで忠誠せよ』とのメッセージだろう」との見方を示した。また、韓国統一部のイ・ヒョジョン副報道官は10日、ジュエ氏について言及。「(北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙)労働新聞の写真などを見ると、北が相当な比重を置いて演出したとみられる。今後も関連動向について関心を持って見守る」とする一方、ジュエ氏が後継者か否かという点については「判断するにはまだ早いが、あらゆる可能性を念頭に置いて状況を注視している」と述べるにとどめた。
Copyrights(C)wowkorea.jp 3