韓国側から眺めた北朝鮮(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国側から眺めた北朝鮮(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は15日、国会外交統一委員会に提出した業務報告資料で、北朝鮮が昨年末の朝鮮労働党中央委員会総会の開催から2カ月にして農業対策を議題とする総会を招集したことを挙げ、「北は農業問題を『極めて差し迫った焦眉の課題』と規定し、食料難の深刻さを認めた」と指摘した。 北朝鮮は今月5日に党中央委員会の政治局会議を開き、今月下旬に党中央委員会総会を招集することを決めた。招集の決定書には「農業の正しい発展戦略を樹立し、当面の農事に必要な対策を講じることは極めて重要で差し迫った焦眉の課題」との文言が盛り込まれた。 韓国農村振興庁によると、2022年の北朝鮮の食糧生産量は451万トンで前年に比べ18万トン減少した。 北朝鮮の事情に詳しい消息筋によると、北朝鮮はこのほど軍人1人当たりの1日の穀物配給量を620グラムから580グラムに減らしたという。軍人への配給量を減らすのは2000年代以降で初めてで、それほど食料難が深刻とされる。 統一部は、北朝鮮が今月8日の朝鮮人民軍創建記念日を機に「核能力を誇示し、軍を中心に内部の体制結束を図っている」とも報告した。8日の閲兵式(軍事パレード)で、北朝鮮は新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの戦略兵器や戦術核・ICBM運用部隊を公開し、韓国や米国に対する核能力を誇ったと評価した。 また、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が娘のキム・ジュエさんを軍事パレードを含め5回にわたり軍の行事に同伴したことについて、「軍人や住民に体制結束と金正恩一族への忠誠を求めている」との見方を示した。 同部は、金正恩氏が圧倒的な軍事力強化と核武力の増強などに言及し、対米強硬姿勢を維持しているとし、2~3月の韓米合同軍事演習を機に北朝鮮が挑発に踏み切る可能性があると指摘した。
Copyright 2023YONHAPNEWS. All rights reserved. 40