キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
米政府系放送局の「ラジオフリーアジア」(RFA)は10日(現地時間)、北朝鮮内部の消息筋の話として「北朝鮮当局が金総書記の娘、キム・ジュエの偶像化に乗り出した中、同じ名前の人々に名前を変えるよう強要しており、住民の非難を浴びている」と報じた。
ジュエ氏をめぐっては、今月8日に首都・ピョンヤン(平壌)中心部のキム・イルソン(金日成)広場で行われた朝鮮人民軍の創設75年の軍事パレードに出席。北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、軍事パレードを伝える記事の中で「金正恩同志が愛するお子様、(夫人の)リ・ソルジュ(李雪主)女史とともに広場に到着された」と報じた。同通信が公開した写真からは、黒い帽子にコート姿のジュエ氏が正恩氏の手を握り、レッドカーペットの上を歩いて会場に入る様子が確認できる。
ジュエ氏とみられる少女は昨年11月、北朝鮮がICBMを発射した際に初めて確認された。ジュエ氏が金総書記に同行する様子を撮影した写真を北朝鮮メディアが公開。「『愛するお子様』が同行した」と伝えた。北朝鮮のメディアが金総書記の子供を公式に報じたのはこの時が初めてだった。
金総書記と李雪主夫人の間には3人の子供がいるとされ、第1子は2010年に誕生した男の子、第2子は2013年に生まれた女の子、第3子は性別不明だが2017年に誕生したとされる。第2子がジュエ氏とみられている。
ジュエ氏は、昨年11月のICBM発射、同月のICBM開発関係者との記念撮影に続き、今月7日の朝鮮人民軍創設75周年の宴会、8日の軍事パレードと2日連続で登場。韓国では、メディアや専門家からジュエ氏が金総書記の後継者ではないかとの見方が出始めている。
聯合ニュースは、昨年11月にジュエ氏が初めて姿を見せた際、北朝鮮の朝鮮中央通信は「(正恩氏が)愛するお子様」、2回目は「尊いお子様」としていたが、今月7日の宴会に関する報道では、「『尊敬する』という表現を用いて地位が高まったことを示した」と指摘した。また、ソガン(西江)大学のキム・ヨンス(金英秀)名誉教授は、韓国紙の中央日報の取材に「キム・ジュエの登場は、ペクトゥ(白頭)血統を中心に、北の絶対統治権力は今後も続いていくことを示している」との見方を示した。
こうした中、前述したように、RFAは北朝鮮当局が、ジュエという名前の住民に改名を強要していると報道。RFAが北朝鮮の住民消息筋の話として伝えたところによると、北西部のチョンジュ(定州)市は、「ジュエ」という名前で住民登録された女性を呼び出し、名前を変えるように指示したという。この消息筋は「私の住む人民班(地区)にも『ジュエ』という名前の12歳の女の子がいたが、安全部住民登録課(市民課)では女の子の両親を呼び出して、娘の名前と出生届を変えるよう強要した」と証言した。
消息筋は「当局が『ジュエ』という名前の人を全員調査し、改名するよう強制しているのは、最高尊厳の『尊いお子様』と宣伝されている娘の名前が『ジュエ』であるため同名の人がいないようにすべきという内部指示が下されたからだと、安全部の幹部が言っていた」と明かした。
一方、一部の住民たちからは、「誰も金総書記の娘の名が『ジュエ』だとは知らないし、知っていたら自分の娘にジュエと名付ける人などいるものか」と不満の声も出ているという。住民からこうした不満が上がるのは無理もない。なぜなら、昨年11月に北朝鮮がICBMを発射した際にジュエ氏が初めて公の場に姿を見せて以降、北朝鮮メディアは「愛するお子様」「尊いお子様」などといった表現で娘の存在は明らかにしたが、今もなお、娘の名は公表していないからだ。
世界のメディアが、金総書記とともに登場した娘をほぼ断定的に「キム・ジュエ」と報じているのは、昨年11月に韓国の国家情報機関が「第2子のキム・ジュエ」との見方を示したことによるものだ。
北朝鮮では、金総書記が後継者に内定した際も、当局は「ジョンウン」という名の住民に対し、改名を強要したと報じられた。さらに正恩氏の父、ジョンイル(正日)氏が後継者に内定した1970年代にも同様の措置が取られたとされる。
住民への改名強要の動きは、ジュエ氏を将来、金総書記の後継者するための基盤づくりの一環ということなのだろうか。
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