キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
今月16日に北朝鮮が発射したICBMはおよそ70分間飛翔し、北海道の渡島大島の西方およそ200キロの日本のEEZ(排他的経済水域)の外に落下したものと推定される。最高高度は6000キロを超え、1000キロ程度飛翔したものと推定される。
発射には金総書記が立会い、ジュエ氏も同行した。北朝鮮の朝鮮中央テレビは翌17日、金総書記やジュエ氏らが発射実験を視察する様子を伝えたが、映像を見ると、ジュエ氏は黒いコートを着ているのが確認でき、聯合ニュースは「コートにはフランスの高級ブランド、クリスチャン・ディオールを象徴する柄のようなスケッチが施されている」と指摘した上で、「ディオールのホームページでは同じような商品が1900ドル(約25万円)から販売されている。ジュエさんの年頃と推定される10歳用のサイズなら2800ドル(約36万円)だ」と伝えた。
ジュエ氏の服装などをめぐっては先月、米政府系のメディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が、住民の間で不満が上がり始めていることを伝えた。
RFAの取材に応じた北朝鮮北西部のピョンアンプクド(平安北道)の住民消息筋は「お嬢様(ジュエ氏)の姿を注視した住民たちは、『どれだけしっかり食べているのか、顔が満月のようだ』という話を親しい人間同士でやり取りしている」と明かした。さらにこの消息筋は「今、住民らはきちんと食べられずに頬がこけ、非常にみじめだ」と住民の実情を説明した上で「ところが(ジュエ氏は)いいものを食べていい暮らしをしている貴族の顔で、しかも華麗な服装がテレビで頻繁に放送されるのだから腹が立って耐えがたい」と語った。
ジュエ氏とみられる少女は昨年11月、北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した際に初めて確認された。ジュエ氏が発射を視察する金総書記に同行する様子を撮影した写真を北朝鮮メディアが公開。「『愛するお子様』が同行した」と伝えた。北朝鮮のメディアが金総書記の子供を公式に報じたのはこの時が初めてだった。
ジュエ氏は先月8日に首都・ピョンヤン(平壌)中心部のキム・イルソン(金日成)広場で行われた朝鮮人民軍の創設75年の軍事パレードに出席。北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、軍事パレードを伝える記事の中で「金正恩同志が愛するお子様、(夫人の)リ・ソルジュ(李雪主)女史と共に広場に到着された」と報じた。その後も金総書記に同行する形で頻繁に公の場に登場している。ジュエ氏が公の場に頻繁に登場しているのは、金総書記の祖父、キム・イルソン(金日成)主席の直系を示す「ペクトゥ(白頭)血統」の正当性を国内に示す狙いがあるとみられている。
現在、北朝鮮の食糧難は、1990年代半ばの大飢饉(ききん)以降、最も深刻な状況となっているとされる。今年1月、韓国メディアが米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」の報道を引用して伝えたところによると、北朝鮮の穀物の需要と供給量、食料価格などを基に分析した結果、穀物の在庫量が最低必要量以下に下がっていることが分かった。最低必要量は、食糧均等配分を前提に社会維持に不可欠な食糧の下限をいう。北朝鮮は、国連食糧農業機関(FAO)基準の最低必要量の80%水準と推定された。
ジュエ氏の姿からは、住民の生活とかけ離れた豊かな暮らしが想像でき、住民が不満を持つのは当然だが、ジュエ氏に高価な服を着せているのも何らかの意図があってのことなのか。韓国政府系シンクタンク、統一研究院のチョン・ウニ研究委員は聯合ニュースの取材に「一部で反感も買うかもしれないが、北でも女性が経済主体として影響力を強めている中で、キム・ジュエを羨望(せんぼう)の対象に据えるという思惑もあり得る」と分析した。また、トングク(東国)大学北朝鮮学研究所のハ・スンヒ教授は、「内部向けのメッセージと言うより、国際社会に対し北への制裁は無用だと暗示する面があるようにみえる」と話した。
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