ロイター通信のインタビューに応じる尹大統領(大統領室提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
ロイター通信のインタビューに応じる尹大統領(大統領室提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国の大統領室によると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は19日に報じられたロイター通信とのインタビューで、ロシアの侵攻を受けているウクライナ情勢について、「民間人に対する大規模な攻撃や国際社会が到底看過できない大量虐殺、戦争法に重大に違反する事案が発生する際は人道主義や財政支援だけにこだわることが難しくなる」と述べた。「民間人に対する大規模な攻撃」などの前提条件はつけたが、殺傷兵器は供与しないとしてきた韓国政府の立場を変える可能性に言及したもので、波紋が広がりそうだ。

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 尹大統領は「違法な侵攻を受けた国を守り、原状を回復させるためのさまざまな支援に対する制限が国際法、国内法的にあるとは思えない」として、「戦争当事国とわが国のさまざまな関係を考慮し、そして戦況などを考慮し、適切な措置を取る」とも述べた。

 ウクライナや米国などは韓国に対し、ウクライナへの兵器の供与を求めているが、韓国は交戦国への兵器供与を禁じている国内の規定に基づき、拒否してきた。

 尹大統領は今月末に国賓として米国を訪問し、バイデン米大統領と首脳会談を行う。尹大統領はバイデン大統領との首脳会談で、高まる北朝鮮の脅威への対応を強化するため、「目に見える成果」を追求する方針を表明。監視・偵察・情報分析が重要な課題に浮上しているとして、「超高性能、高威力の兵器を開発している」と明らかにした。また、「もし南北の核戦争が起きれば北東アジア全体が灰になる」として、「これを防ぐべきだ」と強調した。

 北大西洋条約機構(NATO)の核抑止を巡る協議体「核計画グループ」のアジア版創設の可能性に関しては、「強力な核攻撃に対応するという側面から、NATO以上の強力な対応が必要」と語った。また、韓米日3カ国の協力が必要として、「拡大抑止は韓米の間で議論が進められてきたため、日本が加わることには大きな問題がない」としながらも、「韓米が先にシステムをつくることが効率的」と述べた。

 南北首脳会談を政治的な理由で推進しない考えも示した。尹大統領は「有権者に見せるための金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)との首脳会談は開かない」としながらも、平和のための対話の扉は開かれていると述べた。

 中国と台湾の両岸問題については、「武力で(台湾海峡の)現状を変更しようとする試みにより発生しており、武力による現状変更には断固反対する」と強調した。


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