【ソウル聯合ニュース】南北経済協力の観光事業が中断している北朝鮮南東部の金剛山観光地区で、北朝鮮が韓国側資産の建物だけでなく北朝鮮所有の施設も撤去を進めていることが明らかになった。韓国統一部のイ・ヒョジョン副報道官は12日の定例会見で、撤去に関する北朝鮮の動向を「注視している」と述べ、「必要な措置があれば関係機関と協議しながら検討していく」と伝えた。 政府筋によると、北朝鮮が近ごろ金剛山観光地区にある金剛山ホテルなどの北朝鮮側施設を撤去していることを情報当局が捉えた。同地区内の金剛山ホテルや金剛山青年駅などは、韓国が建設した北朝鮮の資産だ。 韓国と北朝鮮による金剛山観光事業は2008年に韓国人観光客が北朝鮮兵に射殺される事件が起きて以降、中断されている。 19年2月の米朝首脳会談が物別れに終わった後、北朝鮮の金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が同年10月に金剛山観光地区を視察し、「見るだけでも気分が悪くなるみすぼらしい南側の施設をすべて取り除け」と指示したことから、北朝鮮は解体作業などを本格的に進めてきた。韓国側資産の海金剛ホテル、ゴルフリゾート、温井閣、高城港刺身屋などを次々と撤去した後、北朝鮮所有の施設の撤去にも動いている。 北朝鮮のこうした動きは、金剛山観光地区に外部の資本を誘致し、新たな観光団地を造成する計画を進めるためのものとみられる。 北朝鮮の経済政策を統括する金徳訓(キム・ドクフン)首相は20年末、金剛山観光地区を視察し、「金剛山地区を現代的で総合的な国際観光文化地区に立派に整えるための開発事業を年次別、段階別の計画に沿って推し進めていく」と述べていた。
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